祐太郎さん
レビュアー:
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歳を重ねると想い出の地に行く旅もある。その旅の料理はほろ苦くもある。 #カドブン夏推し2023
旅は想い出を作るものである。ところが、歳を重ねるにつれ、旅の想い出のある場所に再訪することがある。その旅は想い出作りというより、想い出を噛みしめる旅になる。旅の目的が以前住んでいた場所を訪れることなら、その味は苦みを増してくる。なぜなら懐かしの場所は大きく変化しているし、なにより、別の人生があったかもしれないと思わせてしまうからである。
おいしい旅 初めて編と異なり、こちらの本は、以前に住んでいた場所を再訪する旅が多い。しかも年齢を積み重ねた50代以降の登場人物が多い。
京都の同じ女性専用アパート「花園会館」に住んでいた現在アラフィフの3人が京都で再開する『あの日の味は』
亡きパティシエの夫とで出会い結婚した神戸を訪れる琴子がケーキ好きの青年と出会う『幸福のレシピ』
離婚後会っていない娘から指定された場所は、ペンションとして生まれ変わった自分の生まれ育った家だった『ゲストハウス』
横浜から高知に嫁いだ83歳の清子さんの横浜への旅に付き合う明穂のアテンド『横浜アラモード』
7編中4編がそれにあたる。正直、旅というより、自分の人生の来し方を振り返る時間といった感じであるし、そこに出てくる料理たちは登場人物の想い出の味である。単においしいだけでなく、人生の酸いも甘いも詰まっている。読んでいて目頭が熱くなる場面もある。
ふと自分の人生を振り返りたいときに読むといいと思う。読みながら自分の人生を振り返るとともに「人生の選択」に思いを馳せることになるだろう。
もちろん、私もそうだった。
おいしい旅 初めて編と異なり、こちらの本は、以前に住んでいた場所を再訪する旅が多い。しかも年齢を積み重ねた50代以降の登場人物が多い。
京都の同じ女性専用アパート「花園会館」に住んでいた現在アラフィフの3人が京都で再開する『あの日の味は』
亡きパティシエの夫とで出会い結婚した神戸を訪れる琴子がケーキ好きの青年と出会う『幸福のレシピ』
離婚後会っていない娘から指定された場所は、ペンションとして生まれ変わった自分の生まれ育った家だった『ゲストハウス』
横浜から高知に嫁いだ83歳の清子さんの横浜への旅に付き合う明穂のアテンド『横浜アラモード』
7編中4編がそれにあたる。正直、旅というより、自分の人生の来し方を振り返る時間といった感じであるし、そこに出てくる料理たちは登場人物の想い出の味である。単においしいだけでなく、人生の酸いも甘いも詰まっている。読んでいて目頭が熱くなる場面もある。
ふと自分の人生を振り返りたいときに読むといいと思う。読みながら自分の人生を振り返るとともに「人生の選択」に思いを馳せることになるだろう。
もちろん、私もそうだった。
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片道45分の通勤電車を利用して読書している
アラフィフ世代の3児の父。
★基準
★★★★★:新刊(定価)で買ってでも満足できる本
★★★★:新古書価格・kindleで買ったり、図書館で予約待ちしてでも満足できる本
★★★:100均価格で買ったり図書館で何気なくあって借りるなら満足できる本
★★:どうしても本がないときの時間つぶし程度ならいいのでは?
★:う~ん
★なし:雑誌などの一言書評
※仕事関係の本はすべて★★★で統一します。
プロフィールの画像はうちの末っ子の似顔絵を田中かえが描いたものです。
2024年3月20日更新
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- 出版社:KADOKAWA
- ページ数:0
- ISBN:9784041125977
- 発売日:2022年07月21日
- 価格:792円
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