かもめ通信さん
レビュアー:
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気になる現代日本作家を何人かあげるとしたら、相川氏の名前を外すわけにはいかない。
気になる現代日本作家を何人かあげるとしたら、相川氏の名前を外すわけにはいかない。
5年ほど前、はじめて「ハミングバード」を読んだ時のおどろきは、今も鮮明だ。
30半ばの「私」が一大決心をして購入した中古マンションに、「幽霊」が現れた。その「幽霊」=大江さんは、売主、つまりこの部屋の元住人で、半透明の大江さんは、毎日、部屋に住んでいたときと同じように生真面目に生活している。「私」の存在には全く気づかずに。(「ハミングバード」)
幽霊譚などやまほど読んできたつもりだったけれど、こんなにも穏やかな気持ちになれる「幽霊」に会ったのは初めてだったし、未だこれを越えるやさしい「幽霊」にはお目に掛かったことがない。
本書の収録作品は「星は沈まない」「ハミングバード」「日曜日の翌日はいつも」「黄金蝶を追って」「シュン=カン」「引力」の6篇。
SF要素もファンタジー成分もあるけれど、いずれの作品も読者が営むごく普通の日常生活と地続きのように感じられるのは、舞台設定の巧みさだけが理由とはおもえない。
小難しい言葉を使わない平易で読みやすい文章でありながら、ぐいぐい読ませる筆力のおかげか。
後味がわるくないところも気に入っている。
5年ほど前、はじめて「ハミングバード」を読んだ時のおどろきは、今も鮮明だ。
30半ばの「私」が一大決心をして購入した中古マンションに、「幽霊」が現れた。その「幽霊」=大江さんは、売主、つまりこの部屋の元住人で、半透明の大江さんは、毎日、部屋に住んでいたときと同じように生真面目に生活している。「私」の存在には全く気づかずに。(「ハミングバード」)
幽霊譚などやまほど読んできたつもりだったけれど、こんなにも穏やかな気持ちになれる「幽霊」に会ったのは初めてだったし、未だこれを越えるやさしい「幽霊」にはお目に掛かったことがない。
本書の収録作品は「星は沈まない」「ハミングバード」「日曜日の翌日はいつも」「黄金蝶を追って」「シュン=カン」「引力」の6篇。
SF要素もファンタジー成分もあるけれど、いずれの作品も読者が営むごく普通の日常生活と地続きのように感じられるのは、舞台設定の巧みさだけが理由とはおもえない。
小難しい言葉を使わない平易で読みやすい文章でありながら、ぐいぐい読ませる筆力のおかげか。
後味がわるくないところも気に入っている。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:竹書房
- ページ数:0
- ISBN:9784801936355
- 発売日:2023年07月31日
- 価格:990円
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