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ぽんきち
レビュアー:
「ガクゲイイン」て何をする人?
博物館を支える学芸員を描く四コマ漫画集。
博物館に行くことは時々あっても、学芸員が何をする人か、そういえばあまり知らない。本書にもあるが、来館時に椅子に座っている人は看視員。学芸員は
集めて 調べて 人に伝え 未来に伝える お仕事


本書は実際に学芸員をしている著者さんが、ネット上に公開していたものが元となっている。館長はじめ、ベテラン・中堅・若手の学芸員、SE、エデュケーター、事務職員、総務など、登場人物はすべて動物のキャラクター。
軽く読めて、ところどころクスリと笑わせるが、なかなかどうしてディープで濃い。

限られた予算での展覧会の企画、図録作製での〆切の攻防、各学芸員の専門にこだわるオタクぶり。
一番笑ったのは、苗字を説明する際、「野末」さんを「野原の”野”に末法思想の”末”」というところ。一般の人には逆にわかりにくいでしょうw
四コマの合間のコラムには、博物館の豆知識も。
博物館は見せるだけでなく、保存することも大事な仕事。「保存」のためには「展示」が短い方がよいけれど、一方、「展示」で多くの人に見てもらうことが「保存」につながることもあり、落としどころが難しいところでもある。
学芸員は専門知識を要する仕事だが、ポストが少なく、空きが出にくい。専門性が高まれば高まるほど、うまく当てはまる職場は見つけにくい。現状では人件費の問題もあり、かなりの狭き門。非正規も多い。自分の専門にあった分野の学芸員になるには、運も必要で、長期戦になることもある。このあたりは図書館司書なども同様だろう。
楽しく読める一方、少々考えさせられる。
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ぽんきち
ぽんきち さん本が好き!免許皆伝(書評数:1826 件)

分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。

本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。

あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。

「実感」を求めて読書しているように思います。

赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw

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