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剣豪宮本武蔵がまとめた『五輪書』を、単なる決闘の指南書ではなく、現代のビジネスシーンに落とし込んで解説してくれた1冊。古典の使い方も教えてくれます。
60戦無敗を標榜する宮本武蔵は晩年に『五輪書』という書物をしたためた。
『五輪書』は仏教でいう「五大の思想」に基づくもので、その五大は地・水・火・風・空の5つの要素のこと。
『五輪書』はただ江戸時代の剣豪が著した剣術指南書というわけではなく、今では世界中のビジネスパーソンから高い支持を得ているそうだ。
本書はその内実を噛み砕いて解説してくれる。
しかも、単なる古典の解釈ではなく、ビジネスシーンに落とし込んでおり、世界中のビジネスパーソンの支持を得ている理由がわかる。
著者は医師であり経営者で、「すべての人が自分本来の人生を生きることができる社会を目指」してセミナー事業も実施しているそうだ。
著者の父親は宮本武蔵野田派二天一流第19代師範。
そんな著者による『五輪書』の「超訳」での解釈が本書だ。
本書のタイトルは「強運に選ばれる人になる」。
もろちん、単に武蔵が運よく勝ち抜いてきたと言いたいわけではない。
運を勝ち取るための術を指南したのが『五輪書』ということになろうか。
まず著者は強運経営道「生きかた九カ条」を提示する。
『五輪書』の肝だ。
1.ずるくなるな
2.鍛錬し続けろ
3.何にでも興味を持て
4.ハイスペックな人材とつきあえ
5.儲けすぎるな
6.美学を持て
7.目に見えぬ力を使え
8.細心の注意を払え
9.意味のないことはするな
「生きかた九カ条」すべてをしんなりと納得できるわではないかもしれない。
例えば、「5.儲けすぎるな」は江戸時代と現代との考え方の差を如実に示しているように思う。
もちろん、現代の考え方が良いというわけではないが・・・
また、「9.意味のないことはするな」も必ずしもそうとは言い切れず、一見無意味なことから予想外の発見に出会うこともしばしば。
でも、何らかの思想、それも表明することを躊躇わないような確固たる思想を持ち、それに則して生きることの大切さは示されているように思う。
さらに、本書は戦いの場における対処法の具体すらビジネスシーンに落とし込む。
例えば、接近戦での斬り合い方。
「秋猴の身」。
秋猴とは腕を短く縮めた猿のことで、そのことを事例に「手を出さない」ことの利を説く。
敵と対峙した際、先に手を出そうと思わずに先に身を寄せて懐に飛び込むことが大切で、手を出そうとすると、相手は反射的に身を引こうとするため、その前にすばやく飛び込むことが肝要という教えだ。
ビジネスシーンでは、ある部門のマネジメントの立て直しを図ろうとした場合、距離を置いてあれこれ指示を出さずにスッと現場に入り込むことに通ずるそうだ。
納得である。
古典から学べることは人それぞれ。
ただ、真っ向から対峙すると古典の難しさにやられてしまい、何にも得られず、時間ばかりを潰してしまうことになりかねない。
本書は超訳ということで、古典である『五輪書』を分かりやすく解説してくれて理解しやすい。
それ以上に古典を現代的な問題に落とし込んで、具体例を示してくれている点がよい重要と感じた。
ただ字面を追うだけの読書が無意味であることは言うまでもないが、本そのものの意味を理解するだけではなく、その内容を自分の生き方に以下に反映させるかが大切で、そのことを痛感した1冊である。
『五輪書』は仏教でいう「五大の思想」に基づくもので、その五大は地・水・火・風・空の5つの要素のこと。
『五輪書』はただ江戸時代の剣豪が著した剣術指南書というわけではなく、今では世界中のビジネスパーソンから高い支持を得ているそうだ。
本書はその内実を噛み砕いて解説してくれる。
しかも、単なる古典の解釈ではなく、ビジネスシーンに落とし込んでおり、世界中のビジネスパーソンの支持を得ている理由がわかる。
著者は医師であり経営者で、「すべての人が自分本来の人生を生きることができる社会を目指」してセミナー事業も実施しているそうだ。
著者の父親は宮本武蔵野田派二天一流第19代師範。
そんな著者による『五輪書』の「超訳」での解釈が本書だ。
本書のタイトルは「強運に選ばれる人になる」。
もろちん、単に武蔵が運よく勝ち抜いてきたと言いたいわけではない。
運を勝ち取るための術を指南したのが『五輪書』ということになろうか。
まず著者は強運経営道「生きかた九カ条」を提示する。
『五輪書』の肝だ。
1.ずるくなるな
2.鍛錬し続けろ
3.何にでも興味を持て
4.ハイスペックな人材とつきあえ
5.儲けすぎるな
6.美学を持て
7.目に見えぬ力を使え
8.細心の注意を払え
9.意味のないことはするな
「生きかた九カ条」すべてをしんなりと納得できるわではないかもしれない。
例えば、「5.儲けすぎるな」は江戸時代と現代との考え方の差を如実に示しているように思う。
もちろん、現代の考え方が良いというわけではないが・・・
また、「9.意味のないことはするな」も必ずしもそうとは言い切れず、一見無意味なことから予想外の発見に出会うこともしばしば。
でも、何らかの思想、それも表明することを躊躇わないような確固たる思想を持ち、それに則して生きることの大切さは示されているように思う。
さらに、本書は戦いの場における対処法の具体すらビジネスシーンに落とし込む。
例えば、接近戦での斬り合い方。
「秋猴の身」。
秋猴とは腕を短く縮めた猿のことで、そのことを事例に「手を出さない」ことの利を説く。
敵と対峙した際、先に手を出そうと思わずに先に身を寄せて懐に飛び込むことが大切で、手を出そうとすると、相手は反射的に身を引こうとするため、その前にすばやく飛び込むことが肝要という教えだ。
ビジネスシーンでは、ある部門のマネジメントの立て直しを図ろうとした場合、距離を置いてあれこれ指示を出さずにスッと現場に入り込むことに通ずるそうだ。
納得である。
古典から学べることは人それぞれ。
ただ、真っ向から対峙すると古典の難しさにやられてしまい、何にも得られず、時間ばかりを潰してしまうことになりかねない。
本書は超訳ということで、古典である『五輪書』を分かりやすく解説してくれて理解しやすい。
それ以上に古典を現代的な問題に落とし込んで、具体例を示してくれている点がよい重要と感じた。
ただ字面を追うだけの読書が無意味であることは言うまでもないが、本そのものの意味を理解するだけではなく、その内容を自分の生き方に以下に反映させるかが大切で、そのことを痛感した1冊である。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
この書評へのコメント

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- 出版社:海辺の出版社
- ページ数:0
- ISBN:9784991196027
- 発売日:2023年05月01日
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