たけぞうさん
レビュアー:
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同感する話がたくさんありました。スポーツ観戦が好きな人に。
小川ワールドが好きだからなのか、気にいる話がいっぱいありました。著者が阪神ファンなのは知っていますが、スポーツ観戦全般がお好きなようで、この作品はスポーツネタが多かったですね。
第一話、外野手の肩。わたしもスポーツ観戦が好きで、プロ野球の中日ファンなので、この話はとてもよく伝わりました。投げるという動作には魔力があると著者は言います。槍であれ砲丸であれボールであれ、人間の力がそこに凝縮され、空に解き放たれてゆく様子を目にするとき、全身が吸いこまれるように見入ってしまうとのこと。
だからこその外野手の肩なのですね。数頁で語ったあとに、イチローのバックホームの写真がはさまれ、イチロー愛が語られます。まったくその通りと膝を打ちました。
イチローのところに打球が飛ぶ。守備を攻撃に転換してくれる彼の肩に興奮する ────── まったくその通り!
TVの野球中継で見ても外野手のバックホームは気持ちいいですが、これを球場で見るとど迫力なんですね。外野のとんでもなく遠いところから、ノーバウンドでキャッチャーまでボールが届き、取った瞬間にぱちーんと音が響くのです。ライブならではの興奮があり、そこを取り上げる小川さんに、好きな人の視点を共有できて感服します。
卓球選手、バレリーナ、フィギュアスケーター。いいところに目をつけています。
スポーツ以外もあります。わたしは、その中でカタツムリの殻という話に深く惹きこまれました。小学生の頃、カタツムリが大好きな時期があり、動いているのをずっと観察していたことを思い出しました。進行方向に指を出しておくと、進んできたカタツムリの角がそっと触れ、しゅるんと引っこむあの滑らかさ。いまでもよく覚えています。すーっと動いたあとの、うっすらしたぬめりも記憶に新しく、なによりも殻の模様の力強さと、小さな殻が少し透けている感じがなんとも魅力的でした。
作品を読みながら、つい著者と対話してしまいました。
著者のこだわりが楽しくて、とても満足した一冊です。
第一話、外野手の肩。わたしもスポーツ観戦が好きで、プロ野球の中日ファンなので、この話はとてもよく伝わりました。投げるという動作には魔力があると著者は言います。槍であれ砲丸であれボールであれ、人間の力がそこに凝縮され、空に解き放たれてゆく様子を目にするとき、全身が吸いこまれるように見入ってしまうとのこと。
だからこその外野手の肩なのですね。数頁で語ったあとに、イチローのバックホームの写真がはさまれ、イチロー愛が語られます。まったくその通りと膝を打ちました。
イチローのところに打球が飛ぶ。守備を攻撃に転換してくれる彼の肩に興奮する ────── まったくその通り!
TVの野球中継で見ても外野手のバックホームは気持ちいいですが、これを球場で見るとど迫力なんですね。外野のとんでもなく遠いところから、ノーバウンドでキャッチャーまでボールが届き、取った瞬間にぱちーんと音が響くのです。ライブならではの興奮があり、そこを取り上げる小川さんに、好きな人の視点を共有できて感服します。
卓球選手、バレリーナ、フィギュアスケーター。いいところに目をつけています。
スポーツ以外もあります。わたしは、その中でカタツムリの殻という話に深く惹きこまれました。小学生の頃、カタツムリが大好きな時期があり、動いているのをずっと観察していたことを思い出しました。進行方向に指を出しておくと、進んできたカタツムリの角がそっと触れ、しゅるんと引っこむあの滑らかさ。いまでもよく覚えています。すーっと動いたあとの、うっすらしたぬめりも記憶に新しく、なによりも殻の模様の力強さと、小さな殻が少し透けている感じがなんとも魅力的でした。
作品を読みながら、つい著者と対話してしまいました。
著者のこだわりが楽しくて、とても満足した一冊です。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:文藝春秋
- ページ数:0
- ISBN:9784163916699
- 発売日:2023年03月07日
- 価格:1760円
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