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かもめ通信
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ヒストリカルコージー、ここに開幕♪
舞台は19世紀初頭のイギリス。
5歳の時に両親を亡くし、叔父夫婦に引き取られて育てられたベアトリスは、
その境遇故に常に周囲に気を遣いながら生きてきたせいで内気な性格。
やせっぽちのくせに肩ばかりいかつく、華の上に散らばったそばかすのせいもあって、『くすみちゃん』と陰口をたたかれることも。

地位も財産も美貌もないため、社交界でも見向きもされず、
結婚の見込みもない。
ひたすら本の世界に没頭し、気がつけば26歳になっていた。

この時代ミドルクラス以上の女たちには、仕事に就くという選択肢が無かったから、
口うるさい叔母の支配下から逃れるには
結婚するしか無かったが、その見込みは限りなく低かった。

そんなとき、叔母やいとこたちとともに、侯爵家のハウスパーティーに参加することになったベアトリスは、湖水地方の大邸宅に滞在することに。

ところが眠れない夜にこっそりとおとずれた図書室で、血まみれの死体に遭遇してしまう。おまけに死体のそばには、尊大でいけ好かないが完璧なほどに見目麗しく、地位も財力もずば抜けたケスグレイブ公爵が立っていて……。

もしかして公爵さまが人殺し!?

ああ、もしこの人が殺人犯だったら、とても太刀打ちできない。同じ人間とは思えないほど、何から何まで完璧だ。ここまで度を超すと、完璧な自分に疲れたとき、癒やしを求め、犯罪に手を染めることもあるかもしれない。

いやいやいやいやベアトリス!
いくらなんでもそれはまずいよ。
ましてやそんな怪しげな人物に惹かれてしまうなんてもってのほか!


でもねえ。
わかるでしょ?
これってシリーズ物の第1作。

どこをとっても冴えない感じの「残念な」女性が、とりつくろった顔の下に隠し持つ天性の魅力と才能に目覚めて生き生きと活躍し、やがては気むずかしくて人を寄せ付けない公爵様の心を射止めて……って、そういう運びになるはずよね?

ヒストリカルコージーここに開幕♪
次作以降のお約束の展開を期待しよう、そうしよう。

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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2235 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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この書評へのコメント

  1. oldman2023-11-07 20:11

    これ、積んでます……かもめ通信さんが読んだという事は、やはり面白いんですね。ヒロインの名がベアトリスで著者がメッシーナとくれば、これは『空騒ぎ』なのかなと思い手に入れました。早めに読もうと思います。

  2. かもめ通信2023-11-07 20:17

    Twitterを通じた読友さんのお薦めで読んでみた本です。
    コージーですから、キュン!?としながら、気楽にお楽しみくださいね!

  3. No Image

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