ぷるーとさん
レビュアー:
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江戸の読書事情がよく分かる本。
滝沢馬琴が『椿説弓張月』を出した頃の江戸を舞台にした話である。
主人公のせんは、女だてらに貸本屋を生業にしていて、重い荷を担いで毎日江戸の町中を歩いている。
せんの父親は腕のいい彫師だったが、博打好きが祟って禁止されている絵を彫るはめになり、その板木を取り上げられ削られてしまったことから身を持ち崩し、川に身投げしてしまった。
幼い頃から父親の仕事を間近で見、父が挿絵を彫っている話をこっそり教えてもらっているうちに、せんは大の本好きになった。
女なのに本が好きで口がたつ。家族をなくして一人で生きているためか、気が強く、ちょっとやそっとのことには動じない。
そんなせんの回りで起きる事件は、もちろん全て本絡みで、そこからは、当時の読書事情や出版事情だけでなく、江戸の町中の雰囲気や男女の駆け引きなども描き出されている。
「板木どろぼう」は、今でも同じようなことが繰り返されていて、犯人の心情に共感できた。「幽霊さわぎ」も、いかにもありそうな話。
主人公のせんは、女だてらに貸本屋を生業にしていて、重い荷を担いで毎日江戸の町中を歩いている。
せんの父親は腕のいい彫師だったが、博打好きが祟って禁止されている絵を彫るはめになり、その板木を取り上げられ削られてしまったことから身を持ち崩し、川に身投げしてしまった。
幼い頃から父親の仕事を間近で見、父が挿絵を彫っている話をこっそり教えてもらっているうちに、せんは大の本好きになった。
女なのに本が好きで口がたつ。家族をなくして一人で生きているためか、気が強く、ちょっとやそっとのことには動じない。
そんなせんの回りで起きる事件は、もちろん全て本絡みで、そこからは、当時の読書事情や出版事情だけでなく、江戸の町中の雰囲気や男女の駆け引きなども描き出されている。
「板木どろぼう」は、今でも同じようなことが繰り返されていて、犯人の心情に共感できた。「幽霊さわぎ」も、いかにもありそうな話。
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ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
よろしくお願いします。
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- 出版社:文藝春秋
- ページ数:0
- ISBN:9784163916279
- 発売日:2022年11月25日
- 価格:1980円
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