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ぱせりさん
ぱせり
レビュアー:
とんとん。ノックの音が聞こえませんか。
骨董のコレクターであるショーモンは、ある日、オークションで、18世紀に描かれたたという肖像画を見つけて驚く。その顔は自分にそっくりだったから。夢中で落札した肖像画の中に描きこまれていた紋章を手がかりに、彼は、肖像の人物が何ものなのか、見つけ出そう、と考える。それが始まりだった。


蒐集品に囲まれて上等なウィスキーを口にする。それがショーモンの至福の時間。そしてお決まりの文句を唱える。
「ピエール・フランソワ・ショーモン、お前はそこにいるのかい? ノック一回で、はい、ノック二回で、いいえ」


物語は一部と二部に別れている。
二部に入ったところから、突然舞台がくるりと変わる。本当に偶然なのかと思うようなまさかの出会いや、どんでん返しに、終始、開いた口が塞がらないくらい。何度も、一部を見返して、ここが伏線だったのか、そういうことだったのか、と確認しては納得するのだけれど……。


なんなのだろうか、あまりにとんとん拍子すぎて、むしろ気味が悪い。次から次へと、そんなにうまくいくはずないでしょう。ないよね。
たとえば、いなくなっちゃった人は、なぜ出てこないか、と言えば……きっとそうに違いない、と、妄想はどんどん膨らんでくる。あの人もこの人も、あやしくないか。
そうこうしているうちに、最後のあれ――
あれをどう考えたらいいのか。
何もかもがひっくり返りますよ。これがもう一つの幕あけですよ。の狼煙が上がったんじゃないか、と私は思っているのだけれど。
終わりだけれど、これが始まりかもしれない。
なんとなくだけど、ノックの音が聞こえるような気がする。二回。


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ぱせり
ぱせり さん本が好き!免許皆伝(書評数:1740 件)

いつまでも読み切れない沢山の本が手の届くところにありますように。
ただたのしみのために本を読める日々でありますように。

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