星落秋風五丈原さん
レビュアー:
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フランス革命から逃れる貴族を ギロチンから救う「紅はこべ」の正体は?
 1792年、9月。フランスでは、次から次へと貴族が貴族であるというだけで、ギロチン台に送りこまれていた。貴族たちは安全な海の向こうのイギリスを目指すが、変装はたやすくばれていた。そんな時、逃亡貴族をイギリスに逃がす謎の集団が現れた。その名も紅はこべ。由来は、逃亡計画が記される紙に書かれた紅はこべの印だ。告知が届いてから数時間ののちには、公安委員会のもとに、相当数の貴族達が安全なイギリスの地に逃れたという報告が入る。
コメディ・フランセーズの女優として成功したマルグリートは、サー・パーシー・ブレイクニー準男爵と結婚した。しかし社交界の女王と謳われたマルグリートに対して、“救いがたき鈍物”ブレイクニーは、結婚相手としては不釣り合いと周囲には思われていた。しかし皇太子ともマブダチで、英国でも有数のお金持ちであるパーシーを、皆表向きは敬っていた。マルグリートも「結婚した時は、あの人の事好きだったはずなのに。なんであの人ああなっちゃったのかしら?」とやや倦怠期。ところがフランス共和国政府全権大使ショーブランが彼女の前に現れ、兄アルマン・サン・ジュストが紅はこべ団の協力者だと告げる。兄を処刑されたくなければ、貴族の妻の特権を生かして、紅はこべを探るよう脅迫されたマルグリートは渋々従うが。
マルグリートはフランスでは平民出身で、演劇界のトップに上り詰めた庶民代表の成功者だ。おまけに才気煥発とくれば、どこでも人気者のはずだ。しかし彼女は亡命貴族からは冷たい眼で見られている。かつてマルグリートは、貴族令嬢に求婚した兄に乱暴したサン・シール侯爵を告発した過去があったのだ。マルグリートは「自分を革命政府に協力する裏切者と考えて居るのではないか?」と思い、夫に正面からぶつかれないでいた。
好きで好きでたまらないのに、夫に素直な感情をぶつけられず、つい冷たく接してしまうツンデレマルグリートと、同じく妻を熱愛しているのに、とある秘密のためにすぐどこかに行ってしまうブレイクニー。ああ、このすれ違いがたまらない!いや別に貴族夫婦の倦怠期を見たいわけじゃないのよと言いたげな皆さん。わかってますって。これから正体を見せない怪盗とフランス革命政府の攻防戦が展開します。ドラマ版ではショーブランがマルグリートの元カレ設定。
2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。
コメディ・フランセーズの女優として成功したマルグリートは、サー・パーシー・ブレイクニー準男爵と結婚した。しかし社交界の女王と謳われたマルグリートに対して、“救いがたき鈍物”ブレイクニーは、結婚相手としては不釣り合いと周囲には思われていた。しかし皇太子ともマブダチで、英国でも有数のお金持ちであるパーシーを、皆表向きは敬っていた。マルグリートも「結婚した時は、あの人の事好きだったはずなのに。なんであの人ああなっちゃったのかしら?」とやや倦怠期。ところがフランス共和国政府全権大使ショーブランが彼女の前に現れ、兄アルマン・サン・ジュストが紅はこべ団の協力者だと告げる。兄を処刑されたくなければ、貴族の妻の特権を生かして、紅はこべを探るよう脅迫されたマルグリートは渋々従うが。
マルグリートはフランスでは平民出身で、演劇界のトップに上り詰めた庶民代表の成功者だ。おまけに才気煥発とくれば、どこでも人気者のはずだ。しかし彼女は亡命貴族からは冷たい眼で見られている。かつてマルグリートは、貴族令嬢に求婚した兄に乱暴したサン・シール侯爵を告発した過去があったのだ。マルグリートは「自分を革命政府に協力する裏切者と考えて居るのではないか?」と思い、夫に正面からぶつかれないでいた。
好きで好きでたまらないのに、夫に素直な感情をぶつけられず、つい冷たく接してしまうツンデレマルグリートと、同じく妻を熱愛しているのに、とある秘密のためにすぐどこかに行ってしまうブレイクニー。ああ、このすれ違いがたまらない!いや別に貴族夫婦の倦怠期を見たいわけじゃないのよと言いたげな皆さん。わかってますって。これから正体を見せない怪盗とフランス革命政府の攻防戦が展開します。ドラマ版ではショーブランがマルグリートの元カレ設定。
2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。
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2005年より書評業。外国人向け情報誌の編集&翻訳、論文添削をしています。生きていく上で大切なことを教えてくれた本、懐かしい思い出と共にある本、これからも様々な本と出会えればと思います。
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- ISBN:9784488507039
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