たけぞうさん
レビュアー:
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女性、四十才以上、独身限定。
なにげに気になる作家さんです。
初期の作品をだいぶ前に一冊読んだきりで、久しぶりに新作を手に取りました。
柔らかく寄りそう文章が、著者の変わらない魅力ですが、
本作品は題材でえぐってきました。
だって、女性の貧困ですから。なんともいえない空気感がありました。
若葉荘。現代のセーフティーネットの一つの形で、
著者が書きたかった世界なのでしょう。
貧困と聞くと、生活保護を受けているか、その一歩手前の状態だと
連想してしまいます。
しかしこの作品を読むと、貧困になるのも理由があるんだよとか、
金銭のことだけじゃない貧困もあるんだよという、
その人を取り巻く環境があることに気づかせてくれます。
当りまえですよね。言われてみれば。
でも、意外と気がつかないものです。
貧困とは、何かに失敗してお金のない人とくくってしまったほうが
単純で理解しやすいのですが、その一方で、
それは自分の目をそむけて蓋をすることと同じではないかという言葉が
頭に浮かんできました。
恥ずかしながらそのことに気がついて読速が一気に落ちました。
しっかりと理解しなければいけないんじゃないか、
きっとこころのどこかで思ったのでしょうね。
主人公はミチル。四十才の独身女性です。
個人の飲食店でアルバイトをしています。
新卒で就職できず、派遣や契約で働いていた二十代。
いつしか若い女性にとって替わられ、
行き着いた先がいまのウエイトレスです。
しかし、コロナ禍で営業短縮のいまです。
低収入にあえぎ、住居費を切り詰めることにしたのです。
四十才以上、独身女性限定の共同アパート。
仕入れ先の酒屋さんの紹介で転居を決めました。
最初はお金の問題だけでした。しかし共同生活を送るうちに、
お金だけではないものをミチルは感じるようになります。
結婚していない女性が、こんなにも苦しい状況にあるというのは、
やはり日本特有のジェンダーギャップも影響しているのでしょうね。
その人が悪いわけでもないのに、追い込まれていくのを読んでいるうちに、
どうにもやるせない気持ちになったのです。
とても大切なことに触れている作品です。
初期の作品をだいぶ前に一冊読んだきりで、久しぶりに新作を手に取りました。
柔らかく寄りそう文章が、著者の変わらない魅力ですが、
本作品は題材でえぐってきました。
だって、女性の貧困ですから。なんともいえない空気感がありました。
若葉荘。現代のセーフティーネットの一つの形で、
著者が書きたかった世界なのでしょう。
貧困と聞くと、生活保護を受けているか、その一歩手前の状態だと
連想してしまいます。
しかしこの作品を読むと、貧困になるのも理由があるんだよとか、
金銭のことだけじゃない貧困もあるんだよという、
その人を取り巻く環境があることに気づかせてくれます。
当りまえですよね。言われてみれば。
でも、意外と気がつかないものです。
貧困とは、何かに失敗してお金のない人とくくってしまったほうが
単純で理解しやすいのですが、その一方で、
それは自分の目をそむけて蓋をすることと同じではないかという言葉が
頭に浮かんできました。
恥ずかしながらそのことに気がついて読速が一気に落ちました。
しっかりと理解しなければいけないんじゃないか、
きっとこころのどこかで思ったのでしょうね。
主人公はミチル。四十才の独身女性です。
個人の飲食店でアルバイトをしています。
新卒で就職できず、派遣や契約で働いていた二十代。
いつしか若い女性にとって替わられ、
行き着いた先がいまのウエイトレスです。
しかし、コロナ禍で営業短縮のいまです。
低収入にあえぎ、住居費を切り詰めることにしたのです。
四十才以上、独身女性限定の共同アパート。
仕入れ先の酒屋さんの紹介で転居を決めました。
最初はお金の問題だけでした。しかし共同生活を送るうちに、
お金だけではないものをミチルは感じるようになります。
結婚していない女性が、こんなにも苦しい状況にあるというのは、
やはり日本特有のジェンダーギャップも影響しているのでしょうね。
その人が悪いわけでもないのに、追い込まれていくのを読んでいるうちに、
どうにもやるせない気持ちになったのです。
とても大切なことに触れている作品です。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:小学館
- ページ数:0
- ISBN:9784093866552
- 発売日:2022年09月07日
- 価格:1980円
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