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ぷるーと
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広重は、いかにしてあの美しい「東海道五十三次」を完成させたのか。
歌川広重は、以前は安藤広重として知られていた浮世絵画家。代表作は、「東海道五十三次」だ。

この作品は、火消し役の安藤家の息子が浮世絵画家になった顛末、「東海道五十三次」を完成させるまでのいきさつが描かれている。

火消し役の安藤家、重太郎(広重)の父親は入婿で、舅にはあまり好かれていなかった。母亡くなり後を追うように父親も亡くなり重太郎は13才で家督を継いだが、父親を悪しざまに罵った祖父が嫌いで、祖父の後添えが男子を産んだら自分は家を出ると宣言し、祖父の息子が成人に達すると家を出た。

もともと絵が上手くて習っていた重太郎は絵師になろうとするが、内心では、絵は武士の内職程度にしか思っていない。そんな重太郎を一念発起させたのが、ある版元が持ってきた団扇に描かれていた鮮やかな青だった。

舶来のプルシアンブルー。ベロ藍と呼ばれるその最大限に染料を活かせるのは空だ。重太郎はそう確信して、ベロ藍を使って名所絵を描かせてほしいと版元に掛け合うのだが・・・。

澄みきったベロ藍は、どこまでも美しく、なんの屈託もないように見える。だが、安藤重太郎の生涯は、家族関係でさまざまな苦労に満ちていた。彼がこの青に惹かれたのは、その青がすべての苦悩を流し去りそこに明るさだけを残すかのように澄みきっていたからかもしれない。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2926 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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