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たけぞう
レビュアー:
奇妙な描写、多すぎる登場人物の向こうに、想像を超えた展開がある。
図書館の新刊情報で、題名が印象的で目に留まりました。
Amazonで検索したら、書影にもこころを惹かれました。
しかし書誌情報の印象とは全く異なります。
混乱のまま、読むことに決めました。

小学館文庫でした。
2019年にイギリスで刊行され、本邦初翻訳となった作家さんです。
最初から文庫ですが、最近多いように思います。

本が手元にくると、表紙絵を細かく見ることができます。
わたしは、なんともいえない違和感に包まれました。
少女が壜を抱えている絵柄です。
壜の蓋が外れ、中身が気泡となって上に向かってこぼれています。
少女の二の腕には、蜂の巣状の模様が浮かんでいます。
なにか変です。

作品を読んで、伝えておいたほういいことを一つ書きます。
扉絵は、水の中です。だからこの表現なのです。
特に前半の文章だけでは世界観がなかなか説明されないので、
読むときのヒントにして下さい。
そうしないと、前半はかなりつらい読書を強いられますので。

プロローグを読み、分かったような分からないような、
微妙な印象を抱きました。
続く第一章の残虐性で、読者はさらにどん引きになります。
 ────── いったい、なんの話なんだ、これは。
自分の素直な感想です。
開始五十頁ぐらいまで、挫折を覚悟しながらの読書となりました。
時代背景、舞台設定、人間関係の描写が少なく、頭の中に世界観を
作りにくいのです。最初は翻訳の問題かとも思ったのですが、
後半巻き返しますので原文の問題のようです。

逆に、この混乱が作品の魅力の一部だったりするので、
実に不思議な楽しみかたが出来るということをお伝えしておきます。

自分のエンジンがかかったのは、半分を過ぎたあたりからです。
全部で577頁もあるので、なかなかハードルが高いですよね。
ダーク幻想ミステリーとわたしは分類しておきます。
書誌情報の歴史ミステリーというのはちょっと違うかなと思います。
現代的なハイブリッド型のエンタメ小説ですよ。
分かりやすくはないですが、独特の迫力を感じる作品でした。
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たけぞう
たけぞう さん本が好き!免許皆伝(書評数:1465 件)

ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。

自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。

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