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くにたちきち
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「自由」「世間」「革命」「生存」「他人」「国家」の「壁」を、それぞれ一冊の本に託して読み解いています。
最初に、六つの『壁』と、それぞれを依拠した、安部公房の作品と、その出版年を並べます。

『自由』の壁…『砂の女』(1962年)
『世間』の壁…『壁』(1951年)
『革命』の壁…『飢餓同盟』(1954年)
『生存』の壁…『けものたちは故郷をめざす』(1957年)
『他人』の壁…『他人の顔』(1964年)
『国家』の壁…『方舟さくら丸』(1984年)

この順不同の作品群から、ヤマザキマリの独断と識見に満ちた書評と、今の時代との関係について、縷々述べているのが、この本のなりたちです。共通しているのは、それぞれの「壁」の特徴が独自の視点で語られ、それが、筆者と安部公房との奇妙ともいえる体験の共有であり、共感なのではないかと思います。

しかし、巻末に記載されている、安部公房の作品、全集全20巻をはじめ24編におよぶ「主要参考文献」を見ると、多くの文献を渉猟してこの本が書かれていることが分かります。それらをすべて包括した上での、ヤマザキマリの『安部公房とわたし』ではない「わたしと安部公房」ワールドです。
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くにたちきち
くにたちきち さん本が好き!1級(書評数:778 件)

後期高齢者の立場から読んだ本を取り上げます。主な興味は、保健・医療・介護の分野ですが、他の分野も少しは読みます。でも、寄る年波には勝てず、スローペースです。画像は、誕生月の花「紫陽花」で、「七変化」ともいいます。ようやく、700冊を達成しました。

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