yukoさん
レビュアー:
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美しくないと生きてる価値がないなんてことはないって、きっといつかわかるから。
ソウルの一角にある賃貸アパート。
そこに暮らす美容師のアラは、ある事件がきっかけで言葉を発することができなくなり、
顧客や友人と筆談やスマホの画面で会話をし、
親友とルームシェアしながら暮らし、大好きなアイドルの推し活に日々忙しい。
アラのルームメイトは中学一年からの親友のスジン。
孤児院と障碍者施設が一緒になった施設で育ったスジンは、とにかく美しくなりたい。
美しくなりさえすれば幸せになれると信じて大がかりな整形手術を受けたものの、術後の後遺症にひどく悩まされている。
二人が暮らす向かいの部屋に住んでいるのは整形で美貌の美しさを手に入れたキュリ。
ルームサロン嬢として働くキュリは、その美しさのおかげで業界内でトップクラスの店で働いており、
スジンからキュリが施術を受けた著名な美容外科を紹介してくれとしつこく頼まれている。
キュリのルームメイトは孤児院出身のアーティスト、ミホ。
ミホは生まれつき非常に美しく、整形の必要など全くない美貌の持ち主。
財閥の御曹司の恋人がおり、彼はミホに夢中。
同世代の4人のそれぞれの物語に、同じアパートの階下に住む30代の会社員ウォナの妊娠をめぐる物語が交互に語られストーリーは進んでいきます。
裕福な家庭の出身ではない20代の彼女たち。
あまりにいろんなことが彼女たちにのしかかってくるから、
どうやってここから抜け出すことができるのか、
どうやって嫌なやつにぎゃふんといわせることができるのか、
自分たちができる精一杯のことをしつつ、嫌なことは考えないようにスルーして、
そうやってだましだまし毎日を必死で生きるしかなくて。
地元に帰ってきて結婚するのが当たり前だろうと、奥さんに逃げられた子持ちの男と結婚しろとか、こっちの気持ちなど全くお構いなしに当然だろうとばかりに言い出す親や、
やっと妊娠したのに、産休なんて取れると思ってるのか、と吐き捨てる独身の女性上司、
平気で自分の友達の恋人と寝る同僚やら、
もう敵だからけで、本当に生きるの、しんどいよねって、
彼女たちの苦しさに胸が痛んで・・・
でもね、彼女たちには友達がいる。
なんでそんなこと?!と腹が立ったり、理解できないわ、とむかついたりしても、
一緒にお酒を飲んだり、一晩中話せる友達が彼女たちにはいる。
韓国って、若い人たちがものすごく生きにくいようなイメージがあって、
もちろん日本でも生きづらいのでしょうけれど、韓国の方がもっとものすごい競争社会なのだなと思えるんですね。
それに、美しくないと生きている価値がないとまで思っていそうな国、ってイメージで・・・
美しくありさえあれば幸せが手に入るかというと、そんなに簡単に幸せは手に入らない。
もちろん、
美しいだけで楽に生きられるじゃないか、と思うキュリやスジンの気持ちもわかる。
でも、友情を手に入れられたのだから、あなた達は生きていけるよって、そう言ってあげたい。
美しいだけで優遇されたり、
不器用なだけで馬鹿にされたり、
世の中は理不尽なことだらけで。
それでも彼女たちには分かり合える友がいるから。
みんなみんな苦しんで生きているけれど、ほんの少し、希望が垣間見える。
そんなラストで、最後は少しほっとしました。
そこに暮らす美容師のアラは、ある事件がきっかけで言葉を発することができなくなり、
顧客や友人と筆談やスマホの画面で会話をし、
親友とルームシェアしながら暮らし、大好きなアイドルの推し活に日々忙しい。
アラのルームメイトは中学一年からの親友のスジン。
孤児院と障碍者施設が一緒になった施設で育ったスジンは、とにかく美しくなりたい。
美しくなりさえすれば幸せになれると信じて大がかりな整形手術を受けたものの、術後の後遺症にひどく悩まされている。
二人が暮らす向かいの部屋に住んでいるのは整形で美貌の美しさを手に入れたキュリ。
ルームサロン嬢として働くキュリは、その美しさのおかげで業界内でトップクラスの店で働いており、
スジンからキュリが施術を受けた著名な美容外科を紹介してくれとしつこく頼まれている。
キュリのルームメイトは孤児院出身のアーティスト、ミホ。
ミホは生まれつき非常に美しく、整形の必要など全くない美貌の持ち主。
財閥の御曹司の恋人がおり、彼はミホに夢中。
同世代の4人のそれぞれの物語に、同じアパートの階下に住む30代の会社員ウォナの妊娠をめぐる物語が交互に語られストーリーは進んでいきます。
裕福な家庭の出身ではない20代の彼女たち。
あまりにいろんなことが彼女たちにのしかかってくるから、
どうやってここから抜け出すことができるのか、
どうやって嫌なやつにぎゃふんといわせることができるのか、
自分たちができる精一杯のことをしつつ、嫌なことは考えないようにスルーして、
そうやってだましだまし毎日を必死で生きるしかなくて。
地元に帰ってきて結婚するのが当たり前だろうと、奥さんに逃げられた子持ちの男と結婚しろとか、こっちの気持ちなど全くお構いなしに当然だろうとばかりに言い出す親や、
やっと妊娠したのに、産休なんて取れると思ってるのか、と吐き捨てる独身の女性上司、
平気で自分の友達の恋人と寝る同僚やら、
もう敵だからけで、本当に生きるの、しんどいよねって、
彼女たちの苦しさに胸が痛んで・・・
でもね、彼女たちには友達がいる。
なんでそんなこと?!と腹が立ったり、理解できないわ、とむかついたりしても、
一緒にお酒を飲んだり、一晩中話せる友達が彼女たちにはいる。
韓国って、若い人たちがものすごく生きにくいようなイメージがあって、
もちろん日本でも生きづらいのでしょうけれど、韓国の方がもっとものすごい競争社会なのだなと思えるんですね。
それに、美しくないと生きている価値がないとまで思っていそうな国、ってイメージで・・・
美しくありさえあれば幸せが手に入るかというと、そんなに簡単に幸せは手に入らない。
もちろん、
美しいだけで楽に生きられるじゃないか、と思うキュリやスジンの気持ちもわかる。
でも、友情を手に入れられたのだから、あなた達は生きていけるよって、そう言ってあげたい。
美しいだけで優遇されたり、
不器用なだけで馬鹿にされたり、
世の中は理不尽なことだらけで。
それでも彼女たちには分かり合える友がいるから。
みんなみんな苦しんで生きているけれど、ほんの少し、希望が垣間見える。
そんなラストで、最後は少しほっとしました。
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仕事のことで鬱状態が続いており全く本が読めなかったのですが、ぼちぼち読めるようになってきました!
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- 出版社:早川書房
- ページ数:0
- ISBN:9784152100849
- 発売日:2022年02月16日
- 価格:2970円
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