DBさん
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T字路実験からわかる認知の本
シリーズ十七冊目だろうか、春になるとそろそろかなと探すのが恒例になってしまった。
今年もモモンガとコウモリとヤギの話がメインだが、何冊読んでも面白いのはなぜだろう。
いつも長いのが恒例の前書きですが、今回は卒業生たちへ贈る記念品の話でした。
小林教授のイラストがプリントされた品物ということで、いい思い出になるのは間違いない。
そして本文、最初に登場するのはユビナガコウモリです。
キューちゃんと名付けた研究用に洞窟から採取してきたユビナガコウモリが、なぜか小林教授が手で握っている状態でないと餌を食べなくなったという。
もともとミルワームを段階的に食べさせて最後には餌を置いておけば食べるまで到達するそうですが、キューちゃんは甘えん坊だったのだろうか。
実験が終わって洞窟に帰っていったキューちゃんがちゃんと餌をとれているか心配する小林教授でした。
今までの著作でもT字路の左右に蛇やフクロウや天敵になるであろう何かを置いてその反応を見る実験は何度も出てきたが、今回はキューちゃんたちユビナガコウモリにテンとヤギ、それにアナグマの毛をT字路に置いて反応を見ています。
明らかにテンを避けているのは洞窟内でテンがコウモリを捕食している事実からもわかるのだが、アナグマを避ける行動も見られるそうです。
ここからテンとアナグマの匂い成分に共通する部分があることがガスクロでわかったとか。
同じコウモリでもキクガシラコウモリはテンとヤギの区別をしなかったことから、キクガシラコウモリは嗅覚に頼らない生活をしていることがわかる。
簡単そうに思える実験からいろんなことがわかるものだと思った。
モモンガの話はこれも認知関係で、子モモンガはいつからフクロウに対して反応するようになるかという話だった。
大人のモモンガはフクロウの鳴き声を聞かせると退避行動を取るが、赤ちゃんモモンガはどうするかという実験です。
これもお馴染みのT字路を使った実験だが、巣から出るくらいに成長するくらいでフクロウから逃げるようになるそうです。
本能ってすごい。
そしてタイトルになっているモモンガのお尻の話は、モモンガのお尻に目玉のような模様があるということからフクロウが目玉模様を避けるかどうかの実験だった。
これはあまりはっきりした結果が出なかったようで、だからタイトルに「?」がついていたんだなと思いました。
他にもヤギの顎髭の話や実家の山にヤマネがいた話、そして恒例のヒナを育てるミッションでカルガモとキジバトが登場します。
生き物への好奇心と愛情がこもった本だった。
今年もモモンガとコウモリとヤギの話がメインだが、何冊読んでも面白いのはなぜだろう。
いつも長いのが恒例の前書きですが、今回は卒業生たちへ贈る記念品の話でした。
小林教授のイラストがプリントされた品物ということで、いい思い出になるのは間違いない。
そして本文、最初に登場するのはユビナガコウモリです。
キューちゃんと名付けた研究用に洞窟から採取してきたユビナガコウモリが、なぜか小林教授が手で握っている状態でないと餌を食べなくなったという。
もともとミルワームを段階的に食べさせて最後には餌を置いておけば食べるまで到達するそうですが、キューちゃんは甘えん坊だったのだろうか。
実験が終わって洞窟に帰っていったキューちゃんがちゃんと餌をとれているか心配する小林教授でした。
今までの著作でもT字路の左右に蛇やフクロウや天敵になるであろう何かを置いてその反応を見る実験は何度も出てきたが、今回はキューちゃんたちユビナガコウモリにテンとヤギ、それにアナグマの毛をT字路に置いて反応を見ています。
明らかにテンを避けているのは洞窟内でテンがコウモリを捕食している事実からもわかるのだが、アナグマを避ける行動も見られるそうです。
ここからテンとアナグマの匂い成分に共通する部分があることがガスクロでわかったとか。
同じコウモリでもキクガシラコウモリはテンとヤギの区別をしなかったことから、キクガシラコウモリは嗅覚に頼らない生活をしていることがわかる。
簡単そうに思える実験からいろんなことがわかるものだと思った。
モモンガの話はこれも認知関係で、子モモンガはいつからフクロウに対して反応するようになるかという話だった。
大人のモモンガはフクロウの鳴き声を聞かせると退避行動を取るが、赤ちゃんモモンガはどうするかという実験です。
これもお馴染みのT字路を使った実験だが、巣から出るくらいに成長するくらいでフクロウから逃げるようになるそうです。
本能ってすごい。
そしてタイトルになっているモモンガのお尻の話は、モモンガのお尻に目玉のような模様があるということからフクロウが目玉模様を避けるかどうかの実験だった。
これはあまりはっきりした結果が出なかったようで、だからタイトルに「?」がついていたんだなと思いました。
他にもヤギの顎髭の話や実家の山にヤマネがいた話、そして恒例のヒナを育てるミッションでカルガモとキジバトが登場します。
生き物への好奇心と愛情がこもった本だった。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:築地書館
- ページ数:0
- ISBN:9784806716303
- 発売日:2022年02月16日
- 価格:1760円
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