DBさん
レビュアー:
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女性が直面する問題の話
平安時代の働く女性をテーマにした物語です。
尚侍として宮中で働く左大臣家の姫君伊子が今回取り組む事件は、納入された唐物の品々の中から当帰が三包紛失している件だった。
唐土から来た商船が到着すると太宰府から朝廷に報告され、朝議で帝に奏上され許可を得てから商人が上陸できるそうです。
そして商人から商船に積んできた目録と献上品が送られてきて、朝廷から太宰府へ使者を送り必要な商品を購入した後で残りが市場で売買されるという。
馬で行くのか牛車なのかは知らないが、往復の旅程を考えるとかなりの日数と手間がかかる様子。
だが仏画に沈香、麝香、青磁や瑠璃皿、織物に鮮やかな色彩の紋唐紙と検品作業は見ているだけで楽しめる品々です。
漢方薬もわざわざ輸入していたようですが、蔵人所での検品では目録と品物がすべて一致していたはずが、御所に納めるために内侍司で片付けている最中に当帰の紛失が発覚したという。
犯人探しはともかく、唐渡の品物の流れや珍しい献上品が楽しめた。
特に伊子が楽しみにしていたという献上品が事件の解決を祝うかのように登場するが、ばっちり表紙になっていますね。
唐猫もこんなルートでやってきたのかも。
一難去ってまた一難というべきか、新大納言家の姫君が新たに入内してくることになった。
藤壺の女御桐子が出産のために宿下がりして静かな宮中に、新たな火種が舞い込んできたようです。
新大納言家の二の姫玖珠子は伊子の秘密の恋人嵩那をめぐるライバル候補として以前登場していたが、その姉朱鷺子が麗景殿の女御として入内した。
同性の伊子から見ても驚くほどの美少女だった朱鷺子は思慮深い性格のようだが、伊子と同い年だという母親が舞い上がったか格の高い弘徽殿が欲しいと圧力をかけてくるという。
さらに弘徽殿に赤い液体が撒かれるという嫌がらせのような悪戯に伊子はまたしても奔走することになる。
「悪尚侍」という綽名をつけられるほど存在感が出てきた伊子ですが、恋と仕事とどちらか選ばなければならなくなったらどういう結論を出すのだろう。
妊活を発端にした夫婦のすれ違いや、仕事か家庭かという女の問題、職場にまで乱入してくるモンスターペアレントの対策と現代の問題を平安時代に持ち込んでいるのが面白い。
藤壺の女御桐子は無事に出産したようですが、彼女が宮中に戻ってくれば伊子の仕事が増えるのは間違いないだろう。
尚侍として宮中で働く左大臣家の姫君伊子が今回取り組む事件は、納入された唐物の品々の中から当帰が三包紛失している件だった。
唐土から来た商船が到着すると太宰府から朝廷に報告され、朝議で帝に奏上され許可を得てから商人が上陸できるそうです。
そして商人から商船に積んできた目録と献上品が送られてきて、朝廷から太宰府へ使者を送り必要な商品を購入した後で残りが市場で売買されるという。
馬で行くのか牛車なのかは知らないが、往復の旅程を考えるとかなりの日数と手間がかかる様子。
だが仏画に沈香、麝香、青磁や瑠璃皿、織物に鮮やかな色彩の紋唐紙と検品作業は見ているだけで楽しめる品々です。
漢方薬もわざわざ輸入していたようですが、蔵人所での検品では目録と品物がすべて一致していたはずが、御所に納めるために内侍司で片付けている最中に当帰の紛失が発覚したという。
犯人探しはともかく、唐渡の品物の流れや珍しい献上品が楽しめた。
特に伊子が楽しみにしていたという献上品が事件の解決を祝うかのように登場するが、ばっちり表紙になっていますね。
唐猫もこんなルートでやってきたのかも。
一難去ってまた一難というべきか、新大納言家の姫君が新たに入内してくることになった。
藤壺の女御桐子が出産のために宿下がりして静かな宮中に、新たな火種が舞い込んできたようです。
新大納言家の二の姫玖珠子は伊子の秘密の恋人嵩那をめぐるライバル候補として以前登場していたが、その姉朱鷺子が麗景殿の女御として入内した。
同性の伊子から見ても驚くほどの美少女だった朱鷺子は思慮深い性格のようだが、伊子と同い年だという母親が舞い上がったか格の高い弘徽殿が欲しいと圧力をかけてくるという。
さらに弘徽殿に赤い液体が撒かれるという嫌がらせのような悪戯に伊子はまたしても奔走することになる。
「悪尚侍」という綽名をつけられるほど存在感が出てきた伊子ですが、恋と仕事とどちらか選ばなければならなくなったらどういう結論を出すのだろう。
妊活を発端にした夫婦のすれ違いや、仕事か家庭かという女の問題、職場にまで乱入してくるモンスターペアレントの対策と現代の問題を平安時代に持ち込んでいるのが面白い。
藤壺の女御桐子は無事に出産したようですが、彼女が宮中に戻ってくれば伊子の仕事が増えるのは間違いないだろう。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:集英社
- ページ数:0
- ISBN:9784086803748
- 発売日:2021年04月20日
- 価格:627円
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