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朱子学という言葉は高校の時に出会ったけど、中身はまったく放置したまま。本書は朱子学を通して東洋思想のより豊かな世界を楽しみ、より普遍的な問題を考えるきっかけにしてもらうことを目指した1冊。
一口に哲学と言っても、西洋哲学、中国哲学、インド哲学など様々である。
西洋哲学はギリシア哲学などと細分化されるし、中国哲学も孔子や孟子、荀子なんかが登場する。
誰がどんな考え方を提示してきたのかよく分からないし、哲学というものに近づこうともしなかった。
それでも、世の中、いろんな場面で哲学的なものが立ちはだかる。
だから、ここ数年、哲学という名が付く概説書を開くようになった。
しかし、その学び方は、上辺をさらっと撫でるようなもの。
何か一つの分野に注力することはなかったが、ここに来て朱子学に少しばかり踏み込む機会を得た。
朱子学という言葉には高校の日本史か世界史かで出会っていた。
南宋の朱熹により構築された学問体系とか。
でも、その具体については習った覚えがない。
自らも勉強していない。
本書は「朱子学とはこういうものです」とざっくり説明するというより、「仁」「義」「礼」「知」「信」「忠」「孝」といった東洋思想のキーワードを、朱子学の解釈により分かりやすく解説したものという。
分かりやすく…。
分かりやすいというものは、人それぞれなのだと思う。
本書が目指すところは、朱子学を通して東洋思想のより豊かな世界を楽しんでもらうこと、そしてより普遍的な問題を考えるきっかけにしてもらうことだそうだ。
哲学という学問の目指すところは、普遍的な問題への思考なのだろう。
具体的な答えを与えてくれるわけではなく、思考のヒントを提示してくれる。
そんなわけで本書は東洋思想で登場する7つのキーワードの解説だけにとどまらず、朱子学的な思考を基軸に「性」「心」「経」に向き合う。
「性」は性格、性質の問題で、「心」は文字通り心に迫る。
そして、「経」はというと、「常なる規範の道」とのこと。
人生を歩むうえで、その人の軸となる思想そのものということか。
それは『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』の五経としてまとめられ、さらに『論語』『孟子』『大学』『中庸』の四書をあわせて、四書五経という言い方がある。
これらは人生を歩むうえでの道しるべで、先人が示してくれた思考の灯である。
朱子学は儒学の新たな解釈としてまとめられたもので、古の思想も刷新が試行されてきたことが分かる。
人生の案内役である思考の数々を、どうやら私は今まで蔑ろにしすぎてきたようだ。
それでも、やはり難解な書物からは身を引いてしまう。
本書の「おわりに」には、「「おもてなし」と言うから読んでみたが、ちっとももてなされた気がしない、むしろ重苦しい気分にさせられた、だまされた、というような苦情が聞こえてきそうである」と記す。
難しいと感じたのは事実であるが、それはこちらに初歩的な知識もなかったから。
本書の著者はすでに『朱子学入門』も発表しているとのこと。
そちらと併せ読むことで、理解は進むものと思う。
いずれ、チャレンジしたい。
西洋哲学はギリシア哲学などと細分化されるし、中国哲学も孔子や孟子、荀子なんかが登場する。
誰がどんな考え方を提示してきたのかよく分からないし、哲学というものに近づこうともしなかった。
それでも、世の中、いろんな場面で哲学的なものが立ちはだかる。
だから、ここ数年、哲学という名が付く概説書を開くようになった。
しかし、その学び方は、上辺をさらっと撫でるようなもの。
何か一つの分野に注力することはなかったが、ここに来て朱子学に少しばかり踏み込む機会を得た。
朱子学という言葉には高校の日本史か世界史かで出会っていた。
南宋の朱熹により構築された学問体系とか。
でも、その具体については習った覚えがない。
自らも勉強していない。
本書は「朱子学とはこういうものです」とざっくり説明するというより、「仁」「義」「礼」「知」「信」「忠」「孝」といった東洋思想のキーワードを、朱子学の解釈により分かりやすく解説したものという。
分かりやすく…。
分かりやすいというものは、人それぞれなのだと思う。
本書が目指すところは、朱子学を通して東洋思想のより豊かな世界を楽しんでもらうこと、そしてより普遍的な問題を考えるきっかけにしてもらうことだそうだ。
哲学という学問の目指すところは、普遍的な問題への思考なのだろう。
具体的な答えを与えてくれるわけではなく、思考のヒントを提示してくれる。
そんなわけで本書は東洋思想で登場する7つのキーワードの解説だけにとどまらず、朱子学的な思考を基軸に「性」「心」「経」に向き合う。
「性」は性格、性質の問題で、「心」は文字通り心に迫る。
そして、「経」はというと、「常なる規範の道」とのこと。
人生を歩むうえで、その人の軸となる思想そのものということか。
それは『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』の五経としてまとめられ、さらに『論語』『孟子』『大学』『中庸』の四書をあわせて、四書五経という言い方がある。
これらは人生を歩むうえでの道しるべで、先人が示してくれた思考の灯である。
朱子学は儒学の新たな解釈としてまとめられたもので、古の思想も刷新が試行されてきたことが分かる。
人生の案内役である思考の数々を、どうやら私は今まで蔑ろにしすぎてきたようだ。
それでも、やはり難解な書物からは身を引いてしまう。
本書の「おわりに」には、「「おもてなし」と言うから読んでみたが、ちっとももてなされた気がしない、むしろ重苦しい気分にさせられた、だまされた、というような苦情が聞こえてきそうである」と記す。
難しいと感じたのは事実であるが、それはこちらに初歩的な知識もなかったから。
本書の著者はすでに『朱子学入門』も発表しているとのこと。
そちらと併せ読むことで、理解は進むものと思う。
いずれ、チャレンジしたい。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
この書評へのコメント
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- 出版社:ミネルヴァ書房
- ページ数:0
- ISBN:9784623092802
- 発売日:2021年11月01日
- 価格:2420円
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