morimoriさん
レビュアー:
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初代館長が残した言葉と目利きが認められ、トノサマの助手を務めることになったイカル。盗難品を探すうち、怪異事件に巻き込まれていく。
道具屋花宝堂を営む父の影響で幼い頃から、道具を見る目が養われていったイカル。父亡き後、店を継いだ腹違いの兄夫婦と母の仲がうまくいかず、母とイカルは家を出た。その後、母はあっけなく亡くなり、イカルは母の遠縁である東京上野の大澤家にたどりついた。大澤行衛と登勢夫婦は、イカルにとって祖父母ほどの年の人たちだったが、大澤家はイカルの母に返しきれない恩があるという。幕府方に味方し、明治維新後苦労していた大澤家をイカルの母が何かと援助をしていたらしい。
ある日大澤家の娘近が、娘のトヨとやって来た。博物館に鍾馗の軸を持っていくというトヨとともに、イカルは初めて博物館に出かけるが、そこで初代館長の「西から飛んできた鳥が、博物館に迷い込んできたらトノサマにその鳥のお世話をお願いしてくれ」という言葉の縁と目利きの良さを認められトノサマの助手を務めることになった。トノサマの奉公人アキラとともに、収蔵品と台帳を照らし合わせていたイカルは、収蔵品の黒手匣が無いことに気がついた。錦絵とともに博物館に寄贈された黒手匣は、二束三文の価値もないものと思われていたのだが、その行方を探すうち、不思議な事件に巻き込まれていく。
大澤家の娘、近の夫が河鍋暁斎だったり、トノサマが織田信長の末裔だったり、さらに長崎の隠れキリシタンのことが出てきたりと、子どもが歴史に興味をもつような内容には、おとなも充分に楽しめる一冊だった。大澤家を援助していたというイカルの母は、どんな人だったのか。イカルは、その後どういう人生を歩んでいくのかと母親の気持ちになって心配しつつも、周りの人たちが支えてくれるような様子に続編はどうなるのだろうとワクワクしながら読み終えた。
ある日大澤家の娘近が、娘のトヨとやって来た。博物館に鍾馗の軸を持っていくというトヨとともに、イカルは初めて博物館に出かけるが、そこで初代館長の「西から飛んできた鳥が、博物館に迷い込んできたらトノサマにその鳥のお世話をお願いしてくれ」という言葉の縁と目利きの良さを認められトノサマの助手を務めることになった。トノサマの奉公人アキラとともに、収蔵品と台帳を照らし合わせていたイカルは、収蔵品の黒手匣が無いことに気がついた。錦絵とともに博物館に寄贈された黒手匣は、二束三文の価値もないものと思われていたのだが、その行方を探すうち、不思議な事件に巻き込まれていく。
大澤家の娘、近の夫が河鍋暁斎だったり、トノサマが織田信長の末裔だったり、さらに長崎の隠れキリシタンのことが出てきたりと、子どもが歴史に興味をもつような内容には、おとなも充分に楽しめる一冊だった。大澤家を援助していたというイカルの母は、どんな人だったのか。イカルは、その後どういう人生を歩んでいくのかと母親の気持ちになって心配しつつも、周りの人たちが支えてくれるような様子に続編はどうなるのだろうとワクワクしながら読み終えた。
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多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
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- 出版社:偕成社
- ページ数:0
- ISBN:9784038145100
- 発売日:2021年12月06日
- 価格:1540円
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