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DBさん
DB
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犬と一緒に海外旅行する本
ポルトガルを愛した作家タブッキの作品を読んで、ポルトガルに興味を持った。
とりあえず気軽な旅行記でも読んでみようと本書を手に取ってみた。
スペインはバルセロナに行ったことがあるがポルトガルは訪れたことはない。
リスボンを旅した友人が「ポートワインが美味しかった」と言っていたが、ポルトガルの魅力を感じることができるだろうか。

本書は人生の中休みと称して、仕事をやめて1~2年の時間のゆとりができたため旅に出たときの話だ。
夫婦だけならともかくミニチュアシュナウザーの愛犬マグと一緒にスペインとポルトガルを巡るという。
一年間の旅行というのもすごいが、さらに犬も一緒となるとなかなか出来るものではない。
ちょっと大きめの小型犬というマグのサイズがなければできない旅だっただろう。

だが書類の問題や犬の怪我といったトラブルもありながらも、全体的には犬連れの旅行はとてもうまくいったようだ。
ホテルやレストランでも特に問題なく犬もいれてくれるし、汽車やタクシーも乗せてくれる。
ヨーロッパを旅行してると電車に犬が飼い主と一緒に歩いて乗り込むのを見かけたのを思い出しました。
むしろ日本国内を犬と一緒に旅する方が大変かもしれない。

筆者は予算的な問題で家族経営しているようなスペインとポルトガルの民宿を泊り歩いたそうだけど、そこで登場する宿の人たちの描写が面白い。
犬好きでマグを可愛がる人や、雨でずぶ濡れの犬にため息をつきながら泊まっていいと言う人など様々でした。
一番面白かったのは、宿で飼われている犬が友達が来たとばかりに大歓迎するという宿だった。
しかもその宿のフローという犬が夜中に部屋にまで遊びに来て大騒ぎしたとか。
マグとフローのドタバタ騒ぎが目に浮かぶようです。

旅行記にはなっていますが、旅で出会ったスペインやポルトガルの人たちについて半分くらいは犬目線で書かれたエッセイだった。
ビザの関係で国境を越える話や観光地の話、それにスペインとポルトガルの関係がうかがえるような話も出てくる。
だが著者が「犬をつれて長い散歩に出た」と言っている通り、犬を連れて歩いた道や天気、犬を通して知り合った人達について書かれた本だった。
スペインの旅を読みたいのなら解説を書いている太田尚樹氏の著書の方がいいかも。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2030 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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