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ぱせりさん
ぱせり
レビュアー:
「もりは しずまりかえり なにもしゃべらないけれど」から始まる美しい森の写真絵本。
「もりは しずまりかえり
 なにもしゃべらないけれど」
から始まる美しい森の写真絵本。
開くと、芳しい匂いがしてきそうだ。

しずまりかえった森にいったら、こちらもしゃべらないで、しずまっていたい。
そうしたら……
ほら、まつのきの すあなのおくから……
すぎのきの こずえの かげから……
あるいは やまならしのきのえだの うえで、したで……
ほら、だれかがじっとこちらをみているのに気がつくだろう。
たとえば、この絵本の表紙を見て。すあなのおくからのぞいているあの大きな黒い瞳。

森の一日はゆっくりとすぎる。
夕方になっても、夜になっても、だれかがこちらをひっそりみている。
森にやってきた人間を警戒しているのだろうか。
なにかを問いかけているのだろうか。ただ不思議だなあ、と思っているのだろうか。
もしかしたら、もしかしたら、森全体が、静かに人を歓迎しているのではないだろうか。
私は、ここで、人の言葉を脱ぎ捨てよう。そうして、森の一部になる。

こちらを見るたくさんの目に出会って、森はしずかだけれど、にぎやかだなあ、と思う。
声にならない、音にならない賑わいを、そこかしこに感じて、これは、賑やかなしずかさ、と思う。
もりはしずかで、にぎやかだ。



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ぱせり
ぱせり さん本が好き!免許皆伝(書評数:1739 件)

いつまでも読み切れない沢山の本が手の届くところにありますように。
ただたのしみのために本を読める日々でありますように。

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この書評へのコメント

  1. かもめ通信2021-11-04 19:05

    なんにもない、ただの森!に思えても、
    耳を澄ませばいろんな音があって、
    たくさんの瞳がいろんなものを映しているんですよね!

    表紙の写真に対抗して(?)、
    うちの森のかわいい子もみてやってください!(←親ばかもどき)

  2. ぱせり2021-11-04 19:52

    (大きく息をのんで)……かもめ通信さんっ!! 
    あーーー♡♡♡♡♡
    そりゃ親ばか(もどき)にもなりますねえ^^
    こんなかわいい子がいる森、いいなあーー。
    森のお福分けに感謝です。

  3. No Image

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