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いけぴん
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『おとなしく、るすばんしてるとおもうなよ』自由奔放な猫の一日の物語
最近は猫を屋内で飼う人がほとんどだと思う。家中の人が仕事や学校に出かけ、日中は猫だけになることが多いのではないか。留守番をしている時に猫はいったい何をしているのだろう。人間が誰もいない世界で自分の好き勝手に家の中を探検したり、悪戯をしたりしているのだろうか。

【ねこは るすばん】に登場する猫は家の中でじっとしてはいない。人間が出かけていったことを確認すると、タンスの中に潜り込み、そこから“どこか”にたどり着く。大きく伸びをして、猫だけが知っている世界で自由を満喫する。喫茶店でお茶を飲み、散髪屋で身だしなみを整え、本屋でお気に入りの本に愛撫する。その後も、人間のおじさんたちと同じように街をブラブラ徘徊し、時間が来たら自分の家に帰っていく。

『ねこの るすばん、いそがしい』

そして、家主が帰ってくると、何事もなかったように愛くるしい目で玄関にて出迎える。家主は「いい子で留守番できたね~!」などと、疑いもせずに猫に頬ずりするのだろう。

猫は自分のためだけに生きているのだ。自由なのだ。「飼い主のため」なんて、これっぽちも思っちゃいない。だって、彼ら/彼女らは猫の奴隷なんだもの。飼い主に体を寄せるのも、飼い主に愛撫するためではない。飼い主を使って自分を愛撫するためにすり寄るのだ。

そんな猫の自由奔放さを上手に表現した本書は、絵がとにかく可愛い。散髪してもらっているとき、釣り堀でじっと釣り糸を垂れているときの三白眼。お気に入りの本に頬ずりしているとき、銭湯でお湯につかっているときのうっとり顔。そして、家主を出迎えるときだけに見せる大きくキラキラした瞳。猫好きにはたまらない表情がいっぱい。


絵を眺めながら、ただただ猫を崇めていたい。


そんな気持ちにさせられる幸せいっぱいな一冊。
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いけぴん
いけぴん さん本が好き!1級(書評数:1213 件)

山口での単身赴任を終え大阪に戻りました。これからは通勤時間を使っての読書が中心になります。

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この書評へのコメント

  1. 営業イノベーション2023-01-06 11:25

    飼い猫、自宅から突然いなくなった後、数日後にかわいい飼い猫がドラ猫になって戻ってきたことが思い出されました。

  2. いけぴん2023-01-06 12:12

    飼い猫さん、僕たちの知らない世界で冒険されたんでしょうね。

  3. No Image

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