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星落秋風五丈原
レビュアー:
猫が夏への扉を待っている するとある日…という話だと思ってました
冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる飼い猫のピート。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ

という惹句から、きっと「夏への扉」がある時開き、飼い主ダニエルとピートだけが不思議の世界へ行ける。そんなSFだと思っていた。

 しかし全然違っていた。ダニエルは1970年12月、親友マイルズと恋人ベラと会社を経営し、次々と発明品を発表し、結婚間近で順風満帆!と思いきや、二人に裏切られ、発明までだましとられたあげく、冷凍睡眠で30年後に送られてしまう。何もかもなくしたダニエルの反撃なるか!というかなりドタバタ調だった。

 本小説の未来=2000年が既に私達の過去となっているのが感慨深い。冷凍睡眠は実現していないが、ダニエルが力を入れていた人型ロボットはかなり普及しており、もろ“ルンバ”も出てくる。ちなみに今だとピートの翻訳機が登場している発想もありかも。

 ダニエルがいわゆる技術馬鹿でお人好しで、見るからに「あーこりゃ騙されるわー」って感じのいい人。騙すベラはとんでもない悪女で、対極にいるのがリッキーという女性だ。しかしリッキー、過去においてはティーンというより少女である。冷凍睡眠によりダニエルが年齢を止めておけるから辛うじて成り立つが、そうでなければちょっと危ない恋愛かもしれない。
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星落秋風五丈原
星落秋風五丈原 さん本が好き!1級(書評数:2323 件)

2005年より書評業。外国人向け情報誌の編集&翻訳、論文添削をしています。生きていく上で大切なことを教えてくれた本、懐かしい思い出と共にある本、これからも様々な本と出会えればと思います。

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