たけぞうさん
レビュアー:
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怪人・爪切男の強烈な自虐エッセー。
題名が怪しげだし、「孤独から救い出してくれたのはパチンコ中毒のお坊さんと
オカマバーの店員だった」という書誌情報も強烈だし、
「夫のちんぽが入らない」の著者のこだまさんを加えた四人で組んだ同人誌が
文学フリマで評判を呼び人気に火がついた人らしいしという、
ごてごてのエピソードの持ち主です。
読んで納得で、キャラが暴発している人でした。
ネットでつい検索してしまいました。
爪切男さんとこだまさんの対談がヒットし、丁々発止のやり取りが面白すぎて、
確かにこれならアホエッセーも書けるよなと思ったのです。
「もはや僕は人間じゃない」とは、森山直太朗さんの歌の歌詞の一部です。
オカマバーの店員のトリケラさんが好きで、ドライブのときに聞いていた
エピソードに絡めて、歌詞を引用しています。
爪切男さんは、森山さんにちゃんと許可を取っているんですね。偉い。
そしてエッセーを読むと、こんな場面に使われているにも関わらず
許可を出した直太朗さんが、実に大物だと思えるなかなかシュールな
仕上がりになっています。
多少盛っているところもあるかなあと思いつつ、
実際に起こったことがベースなので、いや、それは、うわっとという
気持ちになります。それでいて、妙にこころが和んでしまうあたりが、
このエッセーの恐ろしい面です。
この本は、爪切男さんが六年つきあった彼女と別れて、
どん底の暗黒時代を生きていた時の記録です。
バカ男子が喜びそうな下ネタがいっぱい入っていて、もはや敵なしですね。
メンタルぎりぎりの爪切男さん。
他人の何倍も寂しかり屋の爪切男さん。
ブラック職場で怪しげなインターネットサイトを運営している爪切男さん。
追い込まれた時に助けてくれたのは、
オカマのトリケラさんと破戒僧の禅宗の住職でした。
二人の突き抜けた世界観で、爪切男さんが救われていくのです。
人生は苦界なり、諸行無常、中道を進め。
仏道の教えとオカマの達観は、世界を救うのじゃないかと思いました。
最近、ネット初の究極自虐エッセーがヒットしている気がするのです。
夫の……のこだまさんもそうですし、
少し前に読んだ「すべて忘れてしまうから」も通じるものがあります。
ひょっとしたら、自分よりも悲惨な状況を読んで
救われている人が多いということかもしれないと思いつつも、
自分もその一人ではないかと気付き、後ろめたくなりました。
そんな背徳的な楽しみのあるエッセーです。
誰でもとはならないのでしょうが、がっつりはまる人は結構いると思いますよ。
オカマバーの店員だった」という書誌情報も強烈だし、
「夫のちんぽが入らない」の著者のこだまさんを加えた四人で組んだ同人誌が
文学フリマで評判を呼び人気に火がついた人らしいしという、
ごてごてのエピソードの持ち主です。
読んで納得で、キャラが暴発している人でした。
ネットでつい検索してしまいました。
爪切男さんとこだまさんの対談がヒットし、丁々発止のやり取りが面白すぎて、
確かにこれならアホエッセーも書けるよなと思ったのです。
「もはや僕は人間じゃない」とは、森山直太朗さんの歌の歌詞の一部です。
オカマバーの店員のトリケラさんが好きで、ドライブのときに聞いていた
エピソードに絡めて、歌詞を引用しています。
爪切男さんは、森山さんにちゃんと許可を取っているんですね。偉い。
そしてエッセーを読むと、こんな場面に使われているにも関わらず
許可を出した直太朗さんが、実に大物だと思えるなかなかシュールな
仕上がりになっています。
多少盛っているところもあるかなあと思いつつ、
実際に起こったことがベースなので、いや、それは、うわっとという
気持ちになります。それでいて、妙にこころが和んでしまうあたりが、
このエッセーの恐ろしい面です。
この本は、爪切男さんが六年つきあった彼女と別れて、
どん底の暗黒時代を生きていた時の記録です。
バカ男子が喜びそうな下ネタがいっぱい入っていて、もはや敵なしですね。
メンタルぎりぎりの爪切男さん。
他人の何倍も寂しかり屋の爪切男さん。
ブラック職場で怪しげなインターネットサイトを運営している爪切男さん。
追い込まれた時に助けてくれたのは、
オカマのトリケラさんと破戒僧の禅宗の住職でした。
二人の突き抜けた世界観で、爪切男さんが救われていくのです。
人生は苦界なり、諸行無常、中道を進め。
仏道の教えとオカマの達観は、世界を救うのじゃないかと思いました。
最近、ネット初の究極自虐エッセーがヒットしている気がするのです。
夫の……のこだまさんもそうですし、
少し前に読んだ「すべて忘れてしまうから」も通じるものがあります。
ひょっとしたら、自分よりも悲惨な状況を読んで
救われている人が多いということかもしれないと思いつつも、
自分もその一人ではないかと気付き、後ろめたくなりました。
そんな背徳的な楽しみのあるエッセーです。
誰でもとはならないのでしょうが、がっつりはまる人は結構いると思いますよ。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:中央公論新社
 - ページ数:0
 - ISBN:9784120053979
 - 発売日:2021年02月20日
 - 価格:1210円
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