書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

臥煙さん
臥煙
レビュアー:
ものづくりの魅力。筆者の原体験から始まった大人の工場見学。瑞々しい感性と表現力はさすが。
筆者の生まれ育った岡山。近所のお菓子工場、溶接火花の飛び交う鉄工場、子供には謎だったお酢工場など。

そんな原体験からの工場への深い思い入れから始まった企画。6つの工場、それぞれの下調べから訪問、執筆までおよそ4年。筆者の工場への深い愛を察することができる。

放電加工で金属部品に穴を開けることに特化した(株)エストロラボ(細穴屋)、江崎グリコの工場見学施設グリコピア神戸、ボートを製造する桑野造船(株)、保育園のサンポカーでお馴染み、全て手づくり五十畑工業(株)、京都の町工場、ガラス管の加工とスリ研磨の山口硝子製造所、多かの町工場の存する葛飾区四ツ木、鉛筆製造の北星鉛筆(株)。

いずれの工場でも機械では再現できない職人の技が不可欠。本書の凄いのは工程を説明するのに写真や図版が全く使われていないところ。作家としての筆者の技術とプライドをそこに強く感じる。時に製品や機械を擬人化し製造の過程の魅力を掴む筆者の感性と伝える技にも驚かされる。生半可な作家には決して書けない作品であろう。

ものづくりの持つ独自の魅力を堪能できる傑作でした。
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
臥煙
臥煙 さん本が好き!1級(書評数:817 件)

他の読書コミュニティ閉鎖に伴う移籍組、難民です。
40代半ばの地方公務員。ノンフィクション中心。たまに鉄分とプロ野球、郷土出版などマニアックな選択が多いです。
よろしくお願いします。

読んで楽しい:3票
参考になる:22票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. 独醒書屋2021-04-17 04:18

    作家が工場見学をすると(技術や機械に関しては素人)、こんな目線になるんだという発見があって面白い本でしたね。

  2. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『そこに工場があるかぎり』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ