ことなみさん
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世界に不思議な話。不思議な出来事は多い、嘘だ、ほらだ、幻だ、錯覚だ、気の迷いだという当時のおかしな出来事が今に伝わったもの。歴史的現象奇譚が伝わったもの。それはなぜ?中野さんは説く。
1ハーメルンの笛吹き男
グリムではハーメルンにやってきた男が報酬をもらう約束で鼠を川に沈めたが、
報酬をもらえなかったので130人の子供を連れ去った。
古文書に記され、今も研究中でさまざまな論考がある。
面白いのは舞踏病に集団感染して踊りながら町を出て行った、などこれはマユツバ。
子供たちは十字軍に 入ったのかとも。笛吹き男は徴兵係だったw
2マンドラゴラ
物語に登場する(ハリーポッターなど)、聖書にも記載がある植物。春咲きが雄、秋咲
きが雌といわれ、引き抜くとき抵抗して嫌な音を出す。薬にもなるが快楽効果があり
麻薬のように怪しげな使い方をされてきた。
3ジェヴォーダンの獣
取り残されたようなジェヴォーダン村の狼のような獣。スティーブンスンが旅の途中で
立ち寄ったが怯えている村人に冷たくされ、憤慨して狼寄りの記録を残したとか。
剥製がイギリスにあったが今は行方不明。
4幽霊城
イギリス人は幽霊が好き城も多いし。
5さまよえるオランダ人
オランダ船が嵐に会い怒った船長が南十字星に向かって発砲して呪われ、それからは
未来永劫海を漂うことになった。
ワーグナーは借金を逃れるのに妻と舟に乗って嵐に会い、オペラ「さまよえるオランダ人」
を書いた。
6ドッペルゲンガー
もう一人の自分に出会ったらそれは。ドッペルゲンガーがらみの話は多くて興味深い。
数々のドッペルゲンガー譚。しかし実際には、幽霊譚と比べてはるかにその数はすくない。
なぜだろう?
自分が自分を見る――その衝撃は幽霊を見るのと比べ物にならぬほど大きいからで
はないか。幽霊などよりずっとずっと怖いからではないか……。(by中野)
7ゴーレム
人の形をした泥の塊。時間の経過とともに巨大化して暴れだす。
ラビが作って魂を入れたらしい。
人造人間の元祖。
8ブロッケン山の魔女集会
山の上に日の出頃に立つと、影に太陽の光輪がかさなって霧に写る。ブロッケンの怪。
この頂で魔女が4月30日から翌日まで集会を開く「魔女の夜」もある。
あまり高くない山だが 奇譚がおおい。
9蛙の雨
空から蛙の雨が降った。降るはずのないものが降る「ファロッキーズ現象」
石川県ではおたまじゃくしが降ったことがあるそうだ。
ほかには魚,亀や小型のワニ、植物,硬貨、血。
初期の目撃はローマ時代。
江戸時代に綿糸のような物が落ちてきたという。蛙の例が多いが謎は解けていない。
10ドラキュラ
ルーマニアはドラキュラを観光資源にしているとか。トランシルバニア地方には ドラキュラの
ブラン城があるものね
ウラド3世の「串刺しの刑」は「八つ裂きの刑」と肩を並べて物語に出てくる。
刑罰はどんなものでもイタイ、コワイ。でも耐え忍んで助かった人もいるそうだが。
ブラムストーカーの夜に甦るニンニクが嫌いな「吸血鬼」にもなって。
映画ではドラキュラは闇のスーパースターだ。
なるほど(by中野w)
11犬の自殺
犬が飛び降りる橋がスコットランドのオーバートンにあるそうだ。
12ホワイトハウスの幽霊
リンカーンとケネディの悲劇はたまたまいろんな点で奇妙に一致するところが
あるそうで、100後という所でぴったり重なるとか。
また歴代大統領は夜歩いているとか。
13エクソシスト
初めてホラー映画を見た時「エクソシスト」は「オーメン」よりキングのいろいろより
怖かった。
それでも最近「実話」というのを見た「エミリー・ローズ」は怖くてもう二度と見たくない。
14貴種流離譚
折口信夫が命名した「貴種流離譚」とは「高貴な血脈に生まれながら自国を遠く離れてさすら い数かずの試練を経て神や尊い存在になる」という説話の一型を指す。
ああ、デュマの「鉄仮面」はそれだ。前に読んだロシアの偽世継ぎ現る事件。ドミトリ-、
タカラーノヴァ、びっくりニュースのアナスターシア。やっぱり嘘をついてまで権力と金 は魅力的ということ。
カスパー・ハウザーは王子か、ということで大騒ぎだったが襲撃されて死亡、未解決。
15デンマークの白婦人
この幽霊に会うと死ぬという。勝手に恨んで出てきては呪い殺したらしい。
16大海難事故
勿論タイタニック号だ。そのほか幽霊船になって霧の中から現れる帆船も絵になるが
不気味。
17コティングリー事件
コナンドイルの妖精写真は有名、周りも本物だと信じた事件。
18十字路
十字路には悪霊が住む。信号をよく見て一気に駆け抜けよう!!
19斬られた首
宗教の対立で首を斬られる。得の高い牧師は首を持って歩いたが首は説教を続けていたそうだ。
20ファウスト伝説
ゲーテのファウストは「時よ止まれ」といったが天才ファウスト博士は実在した。
ギリシャ神話の抗議など学生に訊かせたので処分されたが、各地を巡って占いや話で
豪勢な生活を送ったソウダ。
21ディアトロフ事件
ウラル工科大学の学生が遭難した、隊長ディアトロフ以下10名が消息を絶った。
調査では低体温症による死だとされたが、暴力的外傷が多くみられ放射能が
検出された。
事件の謎は解明されていない。
また長くなったが、中野さんは絵画も添え現実の研究結果も書いている。
知っているつもりの話もこういう所から始まってきていたのか。
また読みたい本が増えた。
グリムではハーメルンにやってきた男が報酬をもらう約束で鼠を川に沈めたが、
報酬をもらえなかったので130人の子供を連れ去った。
古文書に記され、今も研究中でさまざまな論考がある。
面白いのは舞踏病に集団感染して踊りながら町を出て行った、などこれはマユツバ。
子供たちは十字軍に 入ったのかとも。笛吹き男は徴兵係だったw
2マンドラゴラ
物語に登場する(ハリーポッターなど)、聖書にも記載がある植物。春咲きが雄、秋咲
きが雌といわれ、引き抜くとき抵抗して嫌な音を出す。薬にもなるが快楽効果があり
麻薬のように怪しげな使い方をされてきた。
3ジェヴォーダンの獣
取り残されたようなジェヴォーダン村の狼のような獣。スティーブンスンが旅の途中で
立ち寄ったが怯えている村人に冷たくされ、憤慨して狼寄りの記録を残したとか。
剥製がイギリスにあったが今は行方不明。
4幽霊城
イギリス人は幽霊が好き城も多いし。
5さまよえるオランダ人
オランダ船が嵐に会い怒った船長が南十字星に向かって発砲して呪われ、それからは
未来永劫海を漂うことになった。
ワーグナーは借金を逃れるのに妻と舟に乗って嵐に会い、オペラ「さまよえるオランダ人」
を書いた。
6ドッペルゲンガー
もう一人の自分に出会ったらそれは。ドッペルゲンガーがらみの話は多くて興味深い。
数々のドッペルゲンガー譚。しかし実際には、幽霊譚と比べてはるかにその数はすくない。
なぜだろう?
自分が自分を見る――その衝撃は幽霊を見るのと比べ物にならぬほど大きいからで
はないか。幽霊などよりずっとずっと怖いからではないか……。(by中野)
7ゴーレム
人の形をした泥の塊。時間の経過とともに巨大化して暴れだす。
ラビが作って魂を入れたらしい。
人造人間の元祖。
8ブロッケン山の魔女集会
山の上に日の出頃に立つと、影に太陽の光輪がかさなって霧に写る。ブロッケンの怪。
この頂で魔女が4月30日から翌日まで集会を開く「魔女の夜」もある。
あまり高くない山だが 奇譚がおおい。
9蛙の雨
空から蛙の雨が降った。降るはずのないものが降る「ファロッキーズ現象」
石川県ではおたまじゃくしが降ったことがあるそうだ。
ほかには魚,亀や小型のワニ、植物,硬貨、血。
初期の目撃はローマ時代。
江戸時代に綿糸のような物が落ちてきたという。蛙の例が多いが謎は解けていない。
10ドラキュラ
ルーマニアはドラキュラを観光資源にしているとか。トランシルバニア地方には ドラキュラの
ブラン城があるものね
ウラド3世の「串刺しの刑」は「八つ裂きの刑」と肩を並べて物語に出てくる。
刑罰はどんなものでもイタイ、コワイ。でも耐え忍んで助かった人もいるそうだが。
ブラムストーカーの夜に甦るニンニクが嫌いな「吸血鬼」にもなって。
映画ではドラキュラは闇のスーパースターだ。
なるほど(by中野w)
11犬の自殺
犬が飛び降りる橋がスコットランドのオーバートンにあるそうだ。
12ホワイトハウスの幽霊
リンカーンとケネディの悲劇はたまたまいろんな点で奇妙に一致するところが
あるそうで、100後という所でぴったり重なるとか。
また歴代大統領は夜歩いているとか。
13エクソシスト
初めてホラー映画を見た時「エクソシスト」は「オーメン」よりキングのいろいろより
怖かった。
それでも最近「実話」というのを見た「エミリー・ローズ」は怖くてもう二度と見たくない。
14貴種流離譚
折口信夫が命名した「貴種流離譚」とは「高貴な血脈に生まれながら自国を遠く離れてさすら い数かずの試練を経て神や尊い存在になる」という説話の一型を指す。
ああ、デュマの「鉄仮面」はそれだ。前に読んだロシアの偽世継ぎ現る事件。ドミトリ-、
タカラーノヴァ、びっくりニュースのアナスターシア。やっぱり嘘をついてまで権力と金 は魅力的ということ。
カスパー・ハウザーは王子か、ということで大騒ぎだったが襲撃されて死亡、未解決。
15デンマークの白婦人
この幽霊に会うと死ぬという。勝手に恨んで出てきては呪い殺したらしい。
16大海難事故
勿論タイタニック号だ。そのほか幽霊船になって霧の中から現れる帆船も絵になるが
不気味。
17コティングリー事件
コナンドイルの妖精写真は有名、周りも本物だと信じた事件。
18十字路
十字路には悪霊が住む。信号をよく見て一気に駆け抜けよう!!
19斬られた首
宗教の対立で首を斬られる。得の高い牧師は首を持って歩いたが首は説教を続けていたそうだ。
20ファウスト伝説
ゲーテのファウストは「時よ止まれ」といったが天才ファウスト博士は実在した。
ギリシャ神話の抗議など学生に訊かせたので処分されたが、各地を巡って占いや話で
豪勢な生活を送ったソウダ。
21ディアトロフ事件
ウラル工科大学の学生が遭難した、隊長ディアトロフ以下10名が消息を絶った。
調査では低体温症による死だとされたが、暴力的外傷が多くみられ放射能が
検出された。
事件の謎は解明されていない。
また長くなったが、中野さんは絵画も添え現実の研究結果も書いている。
知っているつもりの話もこういう所から始まってきていたのか。
また読みたい本が増えた。
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徹夜してでも読みたいという本に出会えるように、網を広げています。
たくさんのいい本に出合えますよう。
この書評へのコメント
- ことなみ2021-09-07 14:26
morimoriさん
こんにちは 今日は少し涼しいですね。
この本は中野さんらしい解説でした。項目を読んでなんとなく知っていると思っていましたが、出来事や現象から時間がたって、奇譚で定着してくる様子が特に面白かったです。民族は違っても恐れや喜びの部分は共通しているんですね、当たり前ですが。その上トリビア風に知識が少し増えました。
レビューはちょっと紹介程度の備忘録で、相変わらず面白さがあまり伝わらないですが、そこはぜひ読んでみてください。200ページ足らずで読みやすいです。
そうそう、こちらで紹介があった「死の山」のこと、一応遭難で解決したそうです。不思議な出来事ですね。あとがきも面白かったです。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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- 出版社:中央公論新社
- ページ数:0
- ISBN:9784120053306
- 発売日:2020年09月08日
- 価格:1870円
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