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ぷるーと
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宮沢賢治が描く身分違いの悲恋。
本線鉄道のシグナルは、電信柱に赤と青の信号が付いた最新式の信号で、後見人である電柱から「若さま」とよばれている。
おそらくは同じ駅に乗り入れているのであろう軽便鉄道のシグナレスは、木の柱にカタンと腕が動くだけの信号だ。

最新式の信号と旧式の信号、身分違いだが、二人は相思相愛の仲。
シグナルはまだ若いだけに熱情的で、相手が思うような返事をしてくれないと、すぐに癇癪を起こす。
シグナレスは、自分の方が劣っているだけに、自信なさげで弱々しいが、シグナルの想いが嬉しく彼に添いたいと思っている。

だが、身分違いの恋には、必ず邪魔が入るもの。シグナルの後見人の電柱は、何としてでも二人の仲を裂こうとし、二人の恋は叶いそうにない。二人は、どこかへ逃げることなどできないのだから。

そんな二人の会話を逐一聞いている倉庫は、せめてもの慰めにと、二人にある贈り物をする。

宮沢賢治の、彼にしては珍しい恋愛をテーマにした話。もの悲しいけれど、でもキラキラした透明感に溢れている。
この話を書いているとき、賢治は叶わぬ恋をしていたのだろうか?
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2924 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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