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ぷるーと
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日本人が日本の軍艦を造るという夢に向かって。
江戸末期、日本の船咸臨丸がアメリカに渡った。この歴史的快挙は、艦長だった勝麟太郎の名を歴史に刻みつけもした。

この咸臨丸は、一艘だけで太平洋を渡ったのではなく、アメリカのポーハタン号に随行していたのであり、遣米使節の正使はポーハタン号に乗船していた。咸臨丸は、ポーハタン号に随行しながら、助言役として咸臨丸に乗船したアメリカ士官や船員から航海術と測量術を学ぶことになっていた。

物語の主人公、この咸臨丸の測量方兼運用方の小野友五郎は、自分の測量に絶対の自信を持っており、すべてのことがらは数学的に割り出せると思っている。咸臨丸の往路では、アメリカ側と測量合戦をし、その技術の高さを驚かれもした。サンフランシスコでは、造船所を見学して、自分たちにも軍艦は造れるとの思いを強くした。

建言書を提出して造船の許可を得た友五郎。だが、時代は幕末、幕府は瓦解し、折角の友五郎の才能は行き場を失ってしまう。

この物語では外国に負けない蒸気船を造ろうと意欲に燃える測量方の面々の気概が描かれているのだが、一方で、咸臨丸の艦長勝麟太郎と咸臨丸に乗り合わせた福沢諭吉を対照的に描いている。福沢諭吉はまだ見どころがないでもないが、勝麟太郎に関してはぼろくそともいえる描かれ方で、それが新鮮でもあり、おもしろくもあった。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2932 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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