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はなとゆめ+猫の本棚
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小説が最も輝いていた時代の作品集。ぜひ手にとってほしい。
 須賀敦子が36歳、1965年にイタリアの小さな出版社から出版した「日本現代文学選」から、須賀が選んだ日本文学名作を収録。須賀は25の作品を選んでいるが、この本ではそのうち13作品を収録している。

 どれも過去に読んだ作品である。

 収録作品。森鴎外「高瀬舟」樋口一葉「十三夜」谷崎潤一郎「刺青」横光利一「春は馬車に乗って」川端康成「ほくろの手紙」坪田譲治「お化けの世界」太宰治「ヴィヨンの妻」林芙美子「下町」三島由紀夫「志賀寺上人の恋」深沢七郎「東北の神武たち」庄野順三「道」中島敦「名人伝」石川淳「紫苑物語」

 1965年当時、結構イタリア社会では日本文化に関心が高かった。しかし、さすがに日本の小説は殆ど紹介されていない。紹介されても、二重翻訳。一旦、英語に訳され、その後イタリア語に翻訳。須賀さんが初めて、日本語から直接イタリア語に訳した。

「刺青」谷崎の女性の足フェチ。「下町」戦争が終わって、どんどん人々から戦争が消えてゆく。それでもずしっと迫ってくる戦争の現実。「道」人は辛くても、苦しくても、昨日から今日へ、そして明日へと生きていかねばならない辛さ他、ぜひ、小説が人々の文化の中心で輝いていた時代の作品を味わってほしいと思う。

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はなとゆめ+猫の本棚
はなとゆめ+猫の本棚 さん本が好き!1級(書評数:6211 件)

昔から活字中毒症。字さえあれば辞書でも見飽きないです。
年金暮らしになりましたので、毎日読書三昧です。一日2冊までを限度に読んでいます。
お金がないので、文庫、それも中古と情けない状態ですが、書評を掲載させて頂きます。よろしくお願いします。

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