オオカミと石のスープ

「はじめての海外文学」の絵本セクションで紹介されたので読んでみました。

フランスの絵本ははじめてで、まさに「はじめてのフランスの絵本」です。
お話は袋を担いだ歳を取ったオオカミが、村へとやって来てめんどりさんの家のドアを叩くところから始まります。

中へ入れてくれたら「石のすーぷ」をご馳走するよというオオカミの甘言に誘われて、家に入れちゃうめんどりさん。石のスープを準備しているオオカミに大好きなセロリを入れることを提案します。

大きな鍋とお湯を準備していると、豚さんがドアを叩きます。
ニワトリさんの家にオオカミが入っていったのを見ていて、心配になってやって来たのです。
その豚さんも「石のスープ」に興味津々、しかし自分の大好きなズッキーニを入れることを提案します。

その後もめんどりを心配して次々とやってくる馬やアヒル、ヤギと犬とヒツジ……みんなそれぞれ好き勝手に自分の好きなものを入れることを提案して、石のスープに放り込みます。

いやはや田舎ってこんなものでしょうね。オオカミは黙ってスープをかき混ぜます。
作者はオオカミの目だけでその気持ちを見事に表現します。

スープパーティーが終わって「まだ煮えていない」と石を袋に入れて立ち去るオオカミ君

大人も子どもも楽しめる見事な絵本でした。

しかし日本でもフランスでも、みんなでワイワイしながら食べる寄せ鍋は美味しいんでしょうね。