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ぷるーと
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暗い厳しい時代、どこかであったかもしれない話。
子どもが欲しかったのにできなかった貧しいきこりの老夫婦がいた。

あるとき森の中に線路が敷かれ、貨物列車が通るようになった。何でも、町に商品を運んでいるのだという。おかみさんは、貨物列車に積まれた豪華な商品に思いを馳せ、神さまに、私にも何か下さいと祈った。

そして、厳しい冬のある日、いつものように貨物列車を見に行ったおかみさんの前に、貨物列車の中からあるものが落とされた。おかみさんが欲しくてたまらなかったものが。

おかみさんは、貨物列車から落とされたショールに包まれた赤ちゃんを、神さまからさずけられた宝物だと、大切に大切に育てた。

夫のきこりはもっと現実的だったから、そんなことをしたらどうなるか、よく分かっていた。赤ちゃんを、「悪魔の子、不吉な人でなしの子」と呼んだ。
おかみさんは、こうささやく。
「人でなしも、人よ。人でなしにも、心臓がある。心がある。おまえさんや私のように」


暗く厳しい時代の、暗く寒い森を舞台にしたおとぎ話。こういうことはなかったのかもしれないし、実は本当にあったかもしれない。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2925 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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