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Deep down to the darkness-深く深く潜れ。
「地下世界」をテーマにした異色のルポ。
著者は、雑誌記者を経てノンフィクション作家となった。本書は初の著作である。
少年の頃、洞窟を探検したことがある著者は、ある時、まさにその洞窟を撮った写真に惹きつけられる。
写真を撮影したのは都市探検家グループの一員だった。著者は彼らに誘われ、ニューヨークの下水管を巡った。
それを皮切りに、地下への旅が始まる。
パリの地下納骨堂。アボリジニの聖地。カッパドキアの地下都市。ピレネー山脈の洞窟。マヤ人の雨乞いの地。
それは下方へと向かうだけでなく、奥へと、そして闇へと向かう類まれな経験だった。
地獄(Hell)の語源は、インド=ヨーロッパ祖語の「隠す」(kel)だという。不明瞭であるがゆえ、地下への旅は不安や畏れを伴う。さまざなな神話で、「地獄」が地下に定められているのは偶然ではないのだ。
現代社会では、真の闇に出会う機会は(あるとしても)極めてまれだ。
漆黒の闇に身を置くとき、人の精神状態はどうなるのか。時間の感覚は失われ、視覚や聴覚は鈍り、時には幻覚に捕らわれる。
それはある種、スピリチュアルな体験にも似ており、実際、暗闇で行う重要な儀式を持つ民族もいる。
日常を離れ、普段、拠り所としているものから切り離される。
多くの情報から遮断され、心細さに恐怖も覚える。
しかしそれは、逆に見れば、しがらみや軛からの開放でもある。
地下への旅はまた、インスピレーションの源ともなり、あなたを思いもよらぬ新しい世界へと誘うかもしれない。
著者とともに各所を巡りながら、読者は知らず知らず、自らの内なる世界をも巡り始める。それはまさにディープな旅である。
地下世界、恐るべし。
著者は、雑誌記者を経てノンフィクション作家となった。本書は初の著作である。
少年の頃、洞窟を探検したことがある著者は、ある時、まさにその洞窟を撮った写真に惹きつけられる。
写真を撮影したのは都市探検家グループの一員だった。著者は彼らに誘われ、ニューヨークの下水管を巡った。
それを皮切りに、地下への旅が始まる。
パリの地下納骨堂。アボリジニの聖地。カッパドキアの地下都市。ピレネー山脈の洞窟。マヤ人の雨乞いの地。
それは下方へと向かうだけでなく、奥へと、そして闇へと向かう類まれな経験だった。
地獄(Hell)の語源は、インド=ヨーロッパ祖語の「隠す」(kel)だという。不明瞭であるがゆえ、地下への旅は不安や畏れを伴う。さまざなな神話で、「地獄」が地下に定められているのは偶然ではないのだ。
現代社会では、真の闇に出会う機会は(あるとしても)極めてまれだ。
漆黒の闇に身を置くとき、人の精神状態はどうなるのか。時間の感覚は失われ、視覚や聴覚は鈍り、時には幻覚に捕らわれる。
それはある種、スピリチュアルな体験にも似ており、実際、暗闇で行う重要な儀式を持つ民族もいる。
日常を離れ、普段、拠り所としているものから切り離される。
多くの情報から遮断され、心細さに恐怖も覚える。
しかしそれは、逆に見れば、しがらみや軛からの開放でもある。
地下への旅はまた、インスピレーションの源ともなり、あなたを思いもよらぬ新しい世界へと誘うかもしれない。
著者とともに各所を巡りながら、読者は知らず知らず、自らの内なる世界をも巡り始める。それはまさにディープな旅である。
地下世界、恐るべし。
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分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。
本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。
あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。
「実感」を求めて読書しているように思います。
赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw
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- 出版社:亜紀書房
- ページ数:0
- ISBN:9784750516592
- 発売日:2020年08月26日
- 価格:2420円
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