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かもめ通信
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いつかもとどおりになった美しい町に、ソエと家族がそろって帰ってくることが出来ますように。
戦争のせいで、家族とともに外国に逃れなければならなくなった10歳の少女ソエ(ZOE)は、生まれたときからずっと暮らしてきた町をはなれる前に、地図をひろげて、たのしい思い出のある場所にしるしをつけてみることに。
そうしてしるしをつけた場所を線でむすんでみると……。

異国情緒あふれる街並みが遠い国で暮らす少女に思いをはせさせ、自転車にのる子どもたちや川を泳ぐカモやアヒルの姿が、少女をぐっと身近な存在に引き寄せる。

とても美しい絵本だ。
戦争によって壊されてしまった街並みでさえも、とても寂しげではあるが凄惨な印象はあたえない。

いつかもとどおりになった美しい町に、ソエと家族がそろって帰ってくることが出来ますように。
そう願いながら本を閉じる。

出版社のデータには対象年齢は4、5歳からとあったが、私にはかなり大人の味のする絵本におもわれた。

おそらくは、読む年齢によって、受け取るものもさまざまなんだろう。

ちいさいお子さんの感想もぜひ聞いてみたいと思わせる絵本だった。


※ スペイン語の翻訳家、宇野和美さんの訳書。実をいうとこれ、てっきり、はじめての海外文学 vol.6の絵本部門にエントリーされているものと思い込んで手にした本だったのだけれど、これはこれで読んでよかった本でした。
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2234 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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