星落秋風五丈原さん
レビュアー:
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バートルビーの言っていることは そんなに変ではない!
語り手はウォール街の一角で法律事務所を営む年配の男。彼はターキーとニッパーズというあだ名の二人の筆耕と、ジンジャーナットというあだ名の雑用係の少年を雇っていたが、仕事が増えてきたために新たに代書人を雇い入れることにした。募集広告に応じてやってきたのは、バートルビーという名の、品はいいがどこか生気に欠けた青年。彼は、当初は非凡な量の筆耕をこなしていたが、しかしあるとき所長に呼びかけられて、書き写したものの点検のための口述を頼まれると、「せずにすめばありがたいのですが」とだけ言って再三の頼みを拒否する。ウォール街の法律事務所で雇った寡黙な男バートルビーは、決まった仕事以外の用を言いつけると「そうしない方がいいと思います(I would prefer not to)」と言い、一切を拒絶する。彼の拒絶はさらに酷くなっていき。
大した仕事ではないのだから、やってあげればいいじゃない。読んだ当初は思っていたが、実はバートルビーの対応も、そんなに変ではないのでは?と思えてくるから不思議である。なぜなら、できる事ならあれもこれも、と言い出して、サービス残業はできたのかもしれない。但し、拒否することにに命まで賭ける意味があるかどうかはわからない。バートルビーの拒否が不条理なのか。何でもはいはい受け入れるのが道理と考える社会が不条理なのか。
「漂流船」
港に停泊している船が漂流船を見つけ、船長が乗り込んで水や食料の援助を申し出る。漂流船の船長は申し出を受け入れるが、事情を聴いてもはっきりしない。黒人の従僕がか弱そうな船長の面倒を見て、二人で時々ひそひそ話をしている。船には黒人や白人の乗組員、子供をあやす黒人の女も乗っている。船長の話では、スペイン人と黒人が乗っていたが暴風や疫病で相当な人員を失ったということである。だがそれは本当か?というミステリ&ホラー。
ハーマン・メルヴィル作品
ビリー・バッド
大した仕事ではないのだから、やってあげればいいじゃない。読んだ当初は思っていたが、実はバートルビーの対応も、そんなに変ではないのでは?と思えてくるから不思議である。なぜなら、できる事ならあれもこれも、と言い出して、サービス残業はできたのかもしれない。但し、拒否することにに命まで賭ける意味があるかどうかはわからない。バートルビーの拒否が不条理なのか。何でもはいはい受け入れるのが道理と考える社会が不条理なのか。
「漂流船」
港に停泊している船が漂流船を見つけ、船長が乗り込んで水や食料の援助を申し出る。漂流船の船長は申し出を受け入れるが、事情を聴いてもはっきりしない。黒人の従僕がか弱そうな船長の面倒を見て、二人で時々ひそひそ話をしている。船には黒人や白人の乗組員、子供をあやす黒人の女も乗っている。船長の話では、スペイン人と黒人が乗っていたが暴風や疫病で相当な人員を失ったということである。だがそれは本当か?というミステリ&ホラー。
ハーマン・メルヴィル作品
ビリー・バッド
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2005年より書評業。外国人向け情報誌の編集&翻訳、論文添削をしています。生きていく上で大切なことを教えてくれた本、懐かしい思い出と共にある本、これからも様々な本と出会えればと思います。
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- 出版社:光文社
- ページ数:0
- ISBN:9784334753160
- 発売日:2015年09月09日
- 価格:1100円
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