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たけぞう
レビュアー:
昭和のホームドラマ。 #ナツイチ
小路幸也さんの作品の三冊目で、デビュー作を手にしました。
デビュー作にはすべてが詰まっているというのは、何回も経験しています。
小路さんの魅力がどこにあるのか、非常によく伝わりました。

東京バンドワゴンは、東京の下町で創業百年になろうかという古本屋さんです。
価値のある古書も取り扱う昔ながらのお店です。
住んでいるのは、七十九才の店主の勘一さんを筆頭に、
息子一人、孫三人、孫の嫁一人、ひ孫二人の大家族です。
店主の奥さんが語り部を務めますが、二年前に亡くなっているので
守護霊みたいな存在です。

家族全員で古本屋というわけにもいかず、お店の一部を改装して
カフェにしています。古書店カフェ。いまどきですね。
この作品の発行が2006年なので、時代の一歩先を行っている感じが
気に入りました。
それでも、小洒落ているようで、実は下町人情話なので親しみやすいです。

春、夏、秋、冬の連作短編です。
続編がたくさん出ている人気シリーズなのです。
登場人物欄が最初にあるのですが、とにかく人が多いし、
経歴から家族と分かるのですが、複雑そうで面くらいます。
第一章の始まりは家族の食事場面で、わざとごちゃまぜに書いて
雰囲気を出しています。

まあ、そういう物語なのですね。
昭和の大家族のアットホーム感でいっぱいです。
昔のTVドラマで見たオーソドックスさがあります。

第一話は若干長めで、家族の設定に読者がとけこみやすくなるよう
書き込んであります。何もないようで、ちょっとずつ癖のある人たちです。
そんな東京バンドワゴンの周りでおきる日常のちょっとした出来事は、
日常の謎というには大げさで、みんなで力を合わせて解決というなごみ系です。

百科事典が二冊、知らないうちにお店の棚に並んでいました。
見つけた人は、誰だよと言いながら、全員そろった晩ご飯の時に確認したら
二冊とも本棚になかったという不思議です。
何かの勘違いでしょうか。
ちょっとずつ、解決に向かっていくのですが、
物語は思わぬ方向に飛んでいくのでした。

ゆったり楽しめますよ。

【こんな人にお薦め】
TVの下町人情ホームドラマが好きな人に。
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たけぞう
たけぞう さん本が好き!免許皆伝(書評数:1468 件)

ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。

自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
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よかったらのぞいてみて下さい。

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