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風竜胆さん
風竜胆
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鈴ヶ森は、江戸の名所のようです。
 これも半七捕物帳に収められている話だ。タイトルからは、大妖怪がでるようなすごい話を連想してしまう。この話も語り手が、明治に入って、半七老人から思い出話を聞いている体裁となっている。

 最初に半七老人の話として、こんな一節がある。
江戸時代の鈴ヶ森は仕置場で、磔や獄門の名所です。

 名所なのか。江戸見物に来たら、鈴ヶ森は外せないとか・・・。

 さて事件の方だが、鈴ヶ森の縄手い悪い狐が出るという噂が立った。星の明るい夜のこと。巳之助と言う若い男が、若狭屋に勤めている、なじみの女郎・お糸に声をかけられた。お糸の顔がのっぺらぼうに見えた巳之助は、お糸の首を絞めたが、何者かにより昏倒させられてしまう。しかし、お糸は何事もなく若狭屋に勤めていた。これが、妖狐の事件だが、オチが明らかになると、「それ何やねん」と思う人もいるかもしれない。

 そしてこの話に収められているのが、天狗の話。京の織物商人・逢坂屋伝兵衛一行が鈴ヶ森で天狗を目撃する。顔が赤く、鼻が高い大天狗だ。口から火を吐いていたという。果たして狐が化けたものか。

 天狗が口から火を吐いていた。時代は幕末で黒船が沢山来ていたころ。天狗の居た場所には西洋葉巻の吸い殻が落ちていたとなると、もうそちらのネタは分かるだろう。

 タイトルはものすごく期待を持たせるが、内容は、なあーんだという感じ。

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風竜胆
風竜胆 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2797 件)

昨年は2月に腎盂炎、6月に全身発疹と散々な1年でした。幸いどちらも、現在は完治しておりますが、皆様も健康にはお気をつけください。

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この書評へのコメント

  1. くにたちきち2020-08-26 10:48

    今でも「鈴ヶ森」は、京浜急行の大森海岸駅の近くに、鈴ヶ森刑場跡として存在しています。のみならず、小学校、中学校さらに公園や橋の名前に「鈴ヶ森」が使われています。江戸時代には人里離れた、おどろおどろしい所であったと思いますが、今は賑やかな町の一角に、残っています。

  2. 風竜胆2020-08-26 11:06

    >くにたちきちさん
    昔は獄門首が晒されていた地も、今は町になってるんですね。人間の逞しさを感じます。でも、なんかあのあたりに住むのは嫌な感じです。まあ、知らなければ大丈夫なんでしょうが。

  3. No Image

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