かもめ通信さん
レビュアー:
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え?うそでしょ!?これは全くの想定外。自分で自分の反応が信じられない。まいったなあ。ちょっとそこのティッシュとって!違うって!見たらわかるでしょ!1枚2枚じゃたりないわ!箱ごとちょうだい!! #ナツイチ
キミは「おいコー」を知っているか?
もちろん私は知っている。
ジャンプJブックスというライトノベルのレーベルから
1巻にあたる『キスまでの距離』が発売されたのは1994年、
集英社文庫に収録されたのが1999年、
その年の「ナツイチ!」で紹介されて話題になった。
私が読み始めたのも文庫化と同時期で、
それからは年に1冊ペースで刊行される文庫版を
コツコツと買い、積まずに読んで『夢のあとさき』まで10冊。
つづいてはじまったSecond Seasonも、
まだ続くの…と息切れしつつも、
読み続けるつもりでいたのだけれど
2冊目の『明日への約束』を読み終えた時点で
勝手に区切りをつけて読むのをやめ、
それまでそろえていた本も処分してしまった。
主役の二人の関係がもどかしすぎることや、
本の中での数ヶ月に、実際には何年もかかっていて
自分と主人公たちの年齢があまりにもかけ離れてきてしまったことや、
背表紙の色が変わってしまって、並びが美しくなくなったことなど、
理由はまあいろいろあったが、
いずれにしてもハッピーエンドになるのだからという
妙な安心感があったことも大きかったかもしれない。
その「おいコー」が、このたびようやく完結したという。
まだ完結していなかったのにも驚いたが、
7年も中断していたというのにもびっくりだ。
そしてまたそう聞くと、
同じ作者の「おいコー」以外の作風からして、
今更続きが書けるのか?という不安もあって、
なんだか二人の行く末を見届ける必要があるような気がしてきた。
と、ここまでぐだぐだと書いてきて今更ではあるけれど、
「おいコー」を知らない方のために基本設定を。
和泉勝利(ショーリ)は高校3年生になる春、父の転勤と叔父の海外赴任のため、
いとこ姉弟と同居することに。
早くに母を亡くした彼は、家事全般すべてに長けていて、
結局いとこたちの世話をする羽目に。
そんな彼を驚かせたのは、
久しぶりに会う5歳年上のかれんの美しい変貌ぶりだった。
同じ屋根の下で暮らすうちに、
かれんの秘密とその哀しい胸の内を知ることに。
惹かれ合う二人だったが、
高校生の勝利と、新任とはいえ教職に就くかれんの間には
あまりにも多くの障害がたちはだかっていたのだった。
とまあ、こんな感じ。
10年、6冊分の中断を経て、最終刊だけ読んでも
意味がわかるものだろうか?とおそるおそる読み始める。
なにしろこの本にはナツイチコンプリートがかかっているのだ。
私が読むのを中断した2010年当時、ショーリは大学生だった。
そして、この最終巻が刊行された2020年、
ショーリはとある事情で大学を休学し、
単身オーストラリアで暮らしているという。
かれんは勤め先を近々退職することになっているらしく求職中で、
かつて彼女が胸に秘めていた大きな秘密は、
既に身内に明かされていて、公然化されていた。
なぜショーリがオーストラリアにいるのか、
そのあたりの事情は、
すっとばしてしまった巻に詳しいはずだが、
この最終巻だけ読んでもよくわかるように工夫されている。
それもダイジェストな紹介などという生やさしいものではなく
読み始めてしばらくは
思いも寄らなかった事態に見舞われることに!?
なんてこと!そんなことがあったのか!
そんなことになっているのか!!と
涙が止まらなくなって驚いた。
ようやく気持ちが落ち着いたのは
物語が大団円に向かって動き始めてから。
最後はきっと、この表紙の絵にあるように
あの思い出の砂浜で……という私の読みが当たったかどうかは
ご想像におまかせするとして、
大丈夫、ずっとごぶさたしていてもきっと、
ちょっぴり苦いおいしいコーヒーを、
飲ませてくれるよ!と、
昔、「おいコー」を読んでいたに違いない
あの人、この人にお勧めしよう。
どうです?一緒にひさびさに
「おいコー」味わってみませんか?
もちろん私は知っている。
ジャンプJブックスというライトノベルのレーベルから
1巻にあたる『キスまでの距離』が発売されたのは1994年、
集英社文庫に収録されたのが1999年、
その年の「ナツイチ!」で紹介されて話題になった。
私が読み始めたのも文庫化と同時期で、
それからは年に1冊ペースで刊行される文庫版を
コツコツと買い、積まずに読んで『夢のあとさき』まで10冊。
つづいてはじまったSecond Seasonも、
まだ続くの…と息切れしつつも、
読み続けるつもりでいたのだけれど
2冊目の『明日への約束』を読み終えた時点で
勝手に区切りをつけて読むのをやめ、
それまでそろえていた本も処分してしまった。
主役の二人の関係がもどかしすぎることや、
本の中での数ヶ月に、実際には何年もかかっていて
自分と主人公たちの年齢があまりにもかけ離れてきてしまったことや、
背表紙の色が変わってしまって、並びが美しくなくなったことなど、
理由はまあいろいろあったが、
いずれにしてもハッピーエンドになるのだからという
妙な安心感があったことも大きかったかもしれない。
その「おいコー」が、このたびようやく完結したという。
まだ完結していなかったのにも驚いたが、
7年も中断していたというのにもびっくりだ。
そしてまたそう聞くと、
同じ作者の「おいコー」以外の作風からして、
今更続きが書けるのか?という不安もあって、
なんだか二人の行く末を見届ける必要があるような気がしてきた。
と、ここまでぐだぐだと書いてきて今更ではあるけれど、
「おいコー」を知らない方のために基本設定を。
和泉勝利(ショーリ)は高校3年生になる春、父の転勤と叔父の海外赴任のため、
いとこ姉弟と同居することに。
早くに母を亡くした彼は、家事全般すべてに長けていて、
結局いとこたちの世話をする羽目に。
そんな彼を驚かせたのは、
久しぶりに会う5歳年上のかれんの美しい変貌ぶりだった。
同じ屋根の下で暮らすうちに、
かれんの秘密とその哀しい胸の内を知ることに。
惹かれ合う二人だったが、
高校生の勝利と、新任とはいえ教職に就くかれんの間には
あまりにも多くの障害がたちはだかっていたのだった。
とまあ、こんな感じ。
10年、6冊分の中断を経て、最終刊だけ読んでも
意味がわかるものだろうか?とおそるおそる読み始める。
なにしろこの本にはナツイチコンプリートがかかっているのだ。
私が読むのを中断した2010年当時、ショーリは大学生だった。
そして、この最終巻が刊行された2020年、
ショーリはとある事情で大学を休学し、
単身オーストラリアで暮らしているという。
かれんは勤め先を近々退職することになっているらしく求職中で、
かつて彼女が胸に秘めていた大きな秘密は、
既に身内に明かされていて、公然化されていた。
なぜショーリがオーストラリアにいるのか、
そのあたりの事情は、
すっとばしてしまった巻に詳しいはずだが、
この最終巻だけ読んでもよくわかるように工夫されている。
それもダイジェストな紹介などという生やさしいものではなく
読み始めてしばらくは
思いも寄らなかった事態に見舞われることに!?
なんてこと!そんなことがあったのか!
そんなことになっているのか!!と
涙が止まらなくなって驚いた。
ようやく気持ちが落ち着いたのは
物語が大団円に向かって動き始めてから。
最後はきっと、この表紙の絵にあるように
あの思い出の砂浜で……という私の読みが当たったかどうかは
ご想像におまかせするとして、
大丈夫、ずっとごぶさたしていてもきっと、
ちょっぴり苦いおいしいコーヒーを、
飲ませてくれるよ!と、
昔、「おいコー」を読んでいたに違いない
あの人、この人にお勧めしよう。
どうです?一緒にひさびさに
「おいコー」味わってみませんか?
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
この書評へのコメント
- かもめ通信2020-09-21 07:45
家庭教師先の教え子と、というパターンは、私の周りにもいましたね。
大学教員と教え子というパターンも。
そうでなくても年の差5つというカップルは決して珍しくはないと思うのですが
やはり大方は男性の方が年上のようですね。
どうしてそうなるのかは……
いろいろ思うところはあるのですが、それはまた別の機会にということで(^^ゞ
この物語の場合は、ヒロインの「かれん」が、
二十歳過ぎても特別“かれんな乙女”というある意味特殊な設定(?)なので、
ジェンダー論的な深まりはあまり感じられませんが……。(^^ゞクリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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- 出版社:集英社
- ページ数:0
- ISBN:9784087441239
- 発売日:2020年06月19日
- 価格:638円
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