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日常の隣にある裏社会。表と完全に隔絶された本書の裏社会には、表社会で存在を消した人々が蠢く。“意思”からの作業を実行することが彼らの生きる糧。作業内容は、殺人である。

世の中、表があれば裏がある。
日常を送る社会にも裏社会がある。
表と裏の間に一定の繋がりがあり、裏社会に生きる人々も表社会の住民としての“登録”がある。
しかし、本書が描く裏社会に住む人々は、表社会と完全に分断されている設定だ。
唯一の繋がりは本書のタイトルにある「KILLTASK」、つまり裏の人間が表の人間を葬り去ること。
殺人だ。
本書の主人公“僕”は殺し屋見習として登場する。
先生となったのは“悪魔”と“天使”
2人と行動を共にする“僕”は、その仕事も目の当たりにする。
“意思”からの“KILLTASK”の実行だ。
実行したらきちんと作業報告をする。
オプションがあれば、その報告も。
そして、仕事終わりにはアルコールを胃に流し込む。
表世界と同じに日常生活のようだが、彼らは表社会では行方知れずか死んでいて、存在しないはずの世界で人知れず人を消す。
“人知れず”は正確ではない。
実際に変死体は見つかり、警察の捜査がはじまる。
しかし、他殺とはならず、“トリイ”つまり迷宮入りとして片づけられる。
“悪魔”と“天使”はやり方が大きく異なる。
“悪魔”は勢いのままにターゲットの命を奪う。
顔を蹴りつけ、相手の戦意を消失させ、一気にカタをつける。
最後は様々な種類の毒薬を注入する。
毒薬の効用はオプションにより使い分ける。
一方の“天使”は指輪に仕込まれたナイフを使う。
相手を慈しむように頬を手で包む、頸動脈に刃を突き立て切断。
わざわざ血にまみれるやり方を採用しているのには、“天使”なりの理由が…。
この2人とさらにバックアップメンバーとも言える杏と一緒に行動をするようになった“僕”。
もちろん、表社会では行方知れずの身。
それも家族を斬殺した殺人者として。
ひょんなことから“天使”と出会い、生か死かの希望を問われた“僕”は、「死にたくない」と答えた。
この一言が“僕”の人生を大きく変え、家族殺害の真相に迫ることに繋がっていく。
そして、黒幕として登場したのは…。
毎年相当数の行方不明者が出る。
彼らはどこにいるのか、それとももういないのか。
そして、多くの自殺者がいる現実。
そんな現実社会の闇をうまく取り込んだ仕上げられた1冊。
「なぜ人を殺してはいけないのか」という哲学的な命題にも回答を示した意欲作だ。
エンターテイメントとして楽しむことはもちろん、いろいろと考えさせられた。
人間の人間らしさは、どこにあるのだろうか。
人間は、生物界のなかで清いものと言えるのだろうか。
むしろ、人間だからこその汚さ、醜さがあるはず。
本書はそんなところにも目をつけていて、興味深かった。
日常を送る社会にも裏社会がある。
表と裏の間に一定の繋がりがあり、裏社会に生きる人々も表社会の住民としての“登録”がある。
しかし、本書が描く裏社会に住む人々は、表社会と完全に分断されている設定だ。
唯一の繋がりは本書のタイトルにある「KILLTASK」、つまり裏の人間が表の人間を葬り去ること。
殺人だ。
本書の主人公“僕”は殺し屋見習として登場する。
先生となったのは“悪魔”と“天使”
2人と行動を共にする“僕”は、その仕事も目の当たりにする。
“意思”からの“KILLTASK”の実行だ。
実行したらきちんと作業報告をする。
オプションがあれば、その報告も。
そして、仕事終わりにはアルコールを胃に流し込む。
表世界と同じに日常生活のようだが、彼らは表社会では行方知れずか死んでいて、存在しないはずの世界で人知れず人を消す。
“人知れず”は正確ではない。
実際に変死体は見つかり、警察の捜査がはじまる。
しかし、他殺とはならず、“トリイ”つまり迷宮入りとして片づけられる。
“悪魔”と“天使”はやり方が大きく異なる。
“悪魔”は勢いのままにターゲットの命を奪う。
顔を蹴りつけ、相手の戦意を消失させ、一気にカタをつける。
最後は様々な種類の毒薬を注入する。
毒薬の効用はオプションにより使い分ける。
一方の“天使”は指輪に仕込まれたナイフを使う。
相手を慈しむように頬を手で包む、頸動脈に刃を突き立て切断。
わざわざ血にまみれるやり方を採用しているのには、“天使”なりの理由が…。
この2人とさらにバックアップメンバーとも言える杏と一緒に行動をするようになった“僕”。
もちろん、表社会では行方知れずの身。
それも家族を斬殺した殺人者として。
ひょんなことから“天使”と出会い、生か死かの希望を問われた“僕”は、「死にたくない」と答えた。
この一言が“僕”の人生を大きく変え、家族殺害の真相に迫ることに繋がっていく。
そして、黒幕として登場したのは…。
毎年相当数の行方不明者が出る。
彼らはどこにいるのか、それとももういないのか。
そして、多くの自殺者がいる現実。
そんな現実社会の闇をうまく取り込んだ仕上げられた1冊。
「なぜ人を殺してはいけないのか」という哲学的な命題にも回答を示した意欲作だ。
エンターテイメントとして楽しむことはもちろん、いろいろと考えさせられた。
人間の人間らしさは、どこにあるのだろうか。
人間は、生物界のなかで清いものと言えるのだろうか。
むしろ、人間だからこその汚さ、醜さがあるはず。
本書はそんなところにも目をつけていて、興味深かった。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
この書評へのコメント

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- 出版社:KADOKAWA
- ページ数:344
- ISBN:9784041094082
- 発売日:2020年07月02日
- 価格:1980円
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