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DBさん
DB
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サーカスを楽しむ動物たちの話
物語はドリトル先生がアフリカへ航海するために借りた船の代金を払うために、お金を稼ぐためにサーカスへ入るところからはじまります。
サーカスの出し物となる双頭のボクコチキミアチをはじめ、犬のジップ、子豚のガブガブ、家政婦役のアヒルのダブダブ、計算係のフクロウのトートー、それに白ネズミがお供ですが、今回はそれにパドルビーの近所に住むネコの餌売りのマシュー・マグとその妻のシアドーシアも仲間となっての大所帯だ。

だがサーカス団に入ったドリトル先生の最初の仕事は、サーカスで芸をしていたオットセイのソフィーが故郷のアラスカの海に帰るために脱走させるというものだった。
ソフィーの夫のスラッシーはアラスカのオットセイの群れのリーダーだったが、愛する妻が人間に捕まってからというものの嘆き暮らすだけで群れは崩壊の危機に陥っているという。
夫のもとに帰りたいと泣くソフィーをつれて、陸路で百六十キロもの逃走劇がはじまった。
長い距離を歩けないソフィーのために女装させて乗合馬車に乗せてみたり、川を通るルートで移動したりとスリリングな旅は続く。
強盗団に間違われ、さらには殺人容疑までかけられながらも無事に仕事をやり遂げてサーカス団にもどってきたドリトル先生は、老馬ベッポと組んでショーに出ることでサーカスの人気者になった。

お金を稼げば稼ぐほど何かに使ってしまうというのがドリトル先生ですが、稼いだお金は蛇使いの蛇を買い取ったり老馬ベッポに引退した馬のための牧場を買ってやったりと使ってしまいダブダブが嘆くはめに。
ベッポとのショーで大金を稼ぐも団長に持ち逃げされ、ドリトル先生が団長としてサーカスを率いるようになります。
しかし動物たちの環境を改善したいドリトル先生は動物を虐待するような芸をことごとくやめてしまい、代わりのショーを考えることに。
そこで出し物にしたのがガブガブや、ジップ、ダブダブといったドリトルファミリーの動物たちが繰り広げる動物劇だった。
まあつながったウィンナーで縄跳びする豚なんてシュールな図もあるが、ガブガブの自分がスターになることに大興奮している様子が微笑ましい。

散歩に出たライオンが迷子になって騒ぎを起こすような事件も交えつつ、動物たちが自分たちでサーカスの芸を考えて披露するようなサーカスはドリトルサーカスだけだろう。
サーカスの非日常の賑やかさが伝わってきて楽しめる話だった。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2053 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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