レビュアー:
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個性的で、心に残像が灼けつく物語集ー。
「孤独」以外ばかり読む。魔術的リアリズム?
マルケスといえばコロンビアの人で「百年の孤独」のノーベル賞作家。魔術的リアリズムを操るという。私はひどく読みにくい「族長の秋」、比較的分かりやすく文芸的な「予告された殺人の記録」を読んだ。どれかというと幻想文学はニガテめ で、でもマルケスはつい読んでしまう。今回は短編集。
「大きな翼のある、ひどく年取った男」
「失われた時の海」
「この世でいちばん美しい水死人」
「愛の彼方の変わることなき死」
「幽霊船の最後の後悔」
「奇跡の行商人、善人のブラカマン」
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」
が収録されている。最初の「大きな翼」はなかなかインパクトが強かった。まさにタイトルのような男が若夫婦の家に落ちていて、見せ物にして金を稼ぐ話。最後は良かったなあ、と牧歌的な雰囲気が漂う。
短いが「美しい水死人」も印象深い。ものすごい美丈夫の水死体を整える女たちの感情と現象。
「幽霊船」「ブラカマン」は幻想的でラストがブラック。
そして「エレンディラ」はごうつくばりの祖母にこき使われていた14才のエレンディラが風の強い日に家を火事にしてしまい、祖母に「この損を償え」と身体を売ることを強要される。やがてエレンディラの噂は広まり、行列が出来るようになった。何度も逃げ出すが、その度に連れ戻されるエレンディラ。
最後に祖母の金を持って疾走するエレンディラには複雑な、でも理解しやすい歪みを感じてしまう。
悲惨な部分もあるし、突然幻想的にもなるけれど
、まあ分かりやすくて心に訴えるものはあるような。オチが面白いのもあるし。何より個性的で、話がきれいではないのがリアルっぽくもある。南米のストーリーはまた特殊な色がある。
興味深かった。さて、「百年の孤独」を読むのはいつの日か・・。
マルケスといえばコロンビアの人で「百年の孤独」のノーベル賞作家。魔術的リアリズムを操るという。私はひどく読みにくい「族長の秋」、比較的分かりやすく文芸的な「予告された殺人の記録」を読んだ。どれかというと幻想文学はニガテめ で、でもマルケスはつい読んでしまう。今回は短編集。
「大きな翼のある、ひどく年取った男」
「失われた時の海」
「この世でいちばん美しい水死人」
「愛の彼方の変わることなき死」
「幽霊船の最後の後悔」
「奇跡の行商人、善人のブラカマン」
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」
が収録されている。最初の「大きな翼」はなかなかインパクトが強かった。まさにタイトルのような男が若夫婦の家に落ちていて、見せ物にして金を稼ぐ話。最後は良かったなあ、と牧歌的な雰囲気が漂う。
短いが「美しい水死人」も印象深い。ものすごい美丈夫の水死体を整える女たちの感情と現象。
「幽霊船」「ブラカマン」は幻想的でラストがブラック。
そして「エレンディラ」はごうつくばりの祖母にこき使われていた14才のエレンディラが風の強い日に家を火事にしてしまい、祖母に「この損を償え」と身体を売ることを強要される。やがてエレンディラの噂は広まり、行列が出来るようになった。何度も逃げ出すが、その度に連れ戻されるエレンディラ。
最後に祖母の金を持って疾走するエレンディラには複雑な、でも理解しやすい歪みを感じてしまう。
悲惨な部分もあるし、突然幻想的にもなるけれど
、まあ分かりやすくて心に訴えるものはあるような。オチが面白いのもあるし。何より個性的で、話がきれいではないのがリアルっぽくもある。南米のストーリーはまた特殊な色がある。
興味深かった。さて、「百年の孤独」を読むのはいつの日か・・。
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読む本の傾向は、女子系だと言われたことがあります。シャーロッキアン、アヤツジスト、北村カオリスタ。シェイクスピア、川端康成、宮沢賢治に最近ちょっと泉鏡花。アート、クラシック、ミステリ、宇宙もの、神代・飛鳥奈良万葉・平安ときて源氏物語、スポーツもの、ちょいホラーを読みます。海外の名作をもう少し読むこと。いまの密かな目標です。
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- 出版社:筑摩書房
- ページ数:205
- ISBN:9784480022776
- 発売日:1988年12月01日
- 価格:567円
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