休蔵さん
レビュアー:
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生き物に備わる「キモい!」は意味があるのですよ。それでは人間の美醜は?
ミスコンの可否についての議論は、一応継続しているのだろう。
その後ろめたさからか、ミスターコンテストも増えているような気もする。
「判断基準は見た目だけじゃないんですよ」と言わんばかりに一芸を披露させたり、世界情勢について演説させたりはする。
でも、結局見た目が整っていないと参加資格すらないコンテストであることには変わりない。
美醜による価値判断っていったい何なのだろう?
そんなことを疑問に思ったわけではないが、「キモい!」という一つの判断基準を追求している本書を手に取ってみた。
本書は「キモい!」生き物を紹介する1冊だ。
昆虫や両生類、爬虫類はもちろんのこと、哺乳類も紹介している。
なかなかパンチの効いたやつ続々登場する。
例えばピパピパ。
標準和名はコモリガエルで、南米北部の熱帯域に生息する。
本書独自のキモバロメーターは120パーセント。
見開きページの真ん中には1枚の紙が挟み込まれており、そこには「次のページには刺激強めの写真があります。心臓の弱い方はご注意ください・・・」とある。
注意しながら紙をめくると、カエルの背中にタマゴがごろごろ、いやべちゃべちゃとあった。
なんでも、水中で産卵されたタマゴを雄が雌の背中に埋め込むとか。
孵化した子どもは、しばらくお母さんの背中で過ごすという。
身をもって子どもを守るその姿勢は、母性の極致と言えよう。
「キモい!」という人間の狭小な基準とは裏腹な大きな愛がそこにはあった
カナダ南東部からアメリカに生息するタイガーサラマンダーは、目がぐっと離れ、それに匹敵するほど大きく避けたお口が特徴的。
一見コミカルに見えるタイガーサラマンダーのお顔を特徴づける大きく避けた口は、生存競争を勝ち抜くための武器だ。
子どものなかでは、成長を早めるためにほかの仲間を食べる、つまり共食いをするやつがいるそうだ。
「共食いモルフ」とされたそいつは、生来「共食い」をすることが植え付けられた。
それは見た目に反映され、頭と口が大きくて、歯がとんがって生まれてくるそうだ。
ある意味、その特徴は、多くの仲間たちへの危険性のアピールでもある。
人間にとってコミカルである見た目は、仲間の本能には恐怖の対象として備わっているのかもしれない。
ミスコン、ミスターコンテストはこれからも続けられることだろう。
こんなものにも「ミス〇〇」があるのかね?と驚かされ続けるのだ。
それは、様々な事業をおじさんが握っているうちは変わるまい。
幹部職の女性率の低さが取りざたされることがあるが、女性幹部が増えていけば、あるいはそれぞれのミスコンの開催について見直しが進むかもしれない。
生き物の「キモい!」には、何かしら意味がありそうだった。
生き抜くための戦略と言える何かの意図が見受けられた。
しかし、人間で美醜を競うのはいったいなんなのだろう。
見た目の美しさは人を惹きつけ、それはよりよい生活、充実した人生を獲得する大きなきっかけになることはあるだろう。
そういう意味では生き抜くための戦略の1つと言えるかもしれない。
しかし、美醜の基準はさまざま。
文化的背景によっても異なるだろうし、時代性による差異もある。
いわゆる平安美人に魅かれる現代人は少ない気がする。
美で人を惹きつける戦略は、ある種の生存戦略と考えたが、それは絶対的な価値観によるものではない。
案外、ぐらつくものをベースとする。
ならば、見た目以外の能力を磨くことが大切だ。
それは、美の競争においても意味を持つと思う。
そういう意味では、完全な見た目だけのコンテストというものはないのかもしれない。
だからといって、「ミス〇〇」だかけの現状は、いかがなものかと思うが・・・。
その後ろめたさからか、ミスターコンテストも増えているような気もする。
「判断基準は見た目だけじゃないんですよ」と言わんばかりに一芸を披露させたり、世界情勢について演説させたりはする。
でも、結局見た目が整っていないと参加資格すらないコンテストであることには変わりない。
美醜による価値判断っていったい何なのだろう?
そんなことを疑問に思ったわけではないが、「キモい!」という一つの判断基準を追求している本書を手に取ってみた。
本書は「キモい!」生き物を紹介する1冊だ。
昆虫や両生類、爬虫類はもちろんのこと、哺乳類も紹介している。
なかなかパンチの効いたやつ続々登場する。
例えばピパピパ。
標準和名はコモリガエルで、南米北部の熱帯域に生息する。
本書独自のキモバロメーターは120パーセント。
見開きページの真ん中には1枚の紙が挟み込まれており、そこには「次のページには刺激強めの写真があります。心臓の弱い方はご注意ください・・・」とある。
注意しながら紙をめくると、カエルの背中にタマゴがごろごろ、いやべちゃべちゃとあった。
なんでも、水中で産卵されたタマゴを雄が雌の背中に埋め込むとか。
孵化した子どもは、しばらくお母さんの背中で過ごすという。
身をもって子どもを守るその姿勢は、母性の極致と言えよう。
「キモい!」という人間の狭小な基準とは裏腹な大きな愛がそこにはあった
カナダ南東部からアメリカに生息するタイガーサラマンダーは、目がぐっと離れ、それに匹敵するほど大きく避けたお口が特徴的。
一見コミカルに見えるタイガーサラマンダーのお顔を特徴づける大きく避けた口は、生存競争を勝ち抜くための武器だ。
子どものなかでは、成長を早めるためにほかの仲間を食べる、つまり共食いをするやつがいるそうだ。
「共食いモルフ」とされたそいつは、生来「共食い」をすることが植え付けられた。
それは見た目に反映され、頭と口が大きくて、歯がとんがって生まれてくるそうだ。
ある意味、その特徴は、多くの仲間たちへの危険性のアピールでもある。
人間にとってコミカルである見た目は、仲間の本能には恐怖の対象として備わっているのかもしれない。
ミスコン、ミスターコンテストはこれからも続けられることだろう。
こんなものにも「ミス〇〇」があるのかね?と驚かされ続けるのだ。
それは、様々な事業をおじさんが握っているうちは変わるまい。
幹部職の女性率の低さが取りざたされることがあるが、女性幹部が増えていけば、あるいはそれぞれのミスコンの開催について見直しが進むかもしれない。
生き物の「キモい!」には、何かしら意味がありそうだった。
生き抜くための戦略と言える何かの意図が見受けられた。
しかし、人間で美醜を競うのはいったいなんなのだろう。
見た目の美しさは人を惹きつけ、それはよりよい生活、充実した人生を獲得する大きなきっかけになることはあるだろう。
そういう意味では生き抜くための戦略の1つと言えるかもしれない。
しかし、美醜の基準はさまざま。
文化的背景によっても異なるだろうし、時代性による差異もある。
いわゆる平安美人に魅かれる現代人は少ない気がする。
美で人を惹きつける戦略は、ある種の生存戦略と考えたが、それは絶対的な価値観によるものではない。
案外、ぐらつくものをベースとする。
ならば、見た目以外の能力を磨くことが大切だ。
それは、美の競争においても意味を持つと思う。
そういう意味では、完全な見た目だけのコンテストというものはないのかもしれない。
だからといって、「ミス〇〇」だかけの現状は、いかがなものかと思うが・・・。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
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- 出版社:宝島社
- ページ数:123
- ISBN:9784800287878
- 発売日:2019年01月17日
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