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波津雪希
レビュアー:
連作の絵画を巡る、ちょっと怖いストーリーです。
 『ペンギン・ハイウエイ』や『夜は短し歩けよ乙女』も

不思議な話でしたが、『夜行』は、都市伝説を思わせるような

不思議な話でした。



 学生時代に通っていた英会話スクールの仲間たちと

『鞍馬の火祭』を見に行ったら、一緒に行った

長谷川さんの行方が分からなくなり、当時のニュースでも

報じられるほどの事件でした。

その後、何年かして英会話スクールの仲間たちと

再び『鞍馬の火祭』を見に行くことになった大橋。

そこで集まった仲間たちから聞く奇妙な話。

それは全て岸田道生の描いた連作『夜行』が

どこかに登場する話でした。

絵画を巡るミステリーと言えば、ダン・ブラウンの

『ダ・ビンチ・コード』を思い出します。



 行方不明になった妻を追いかけて行った先の

ホテルで見た『夜行』の銅板絵画。

たまたま乗り合わせた電車の中で

昔の知り合いが持っていた『夜行』の銅板絵画。

長谷川さんを見かけたと言って入った画廊に

展示されていた『夜行』の銅板絵画。

奇妙な話には、どれも『夜行』の銅板絵画が

登場します。そして、『夜行』の銅板絵画の

連作には、顔の無い女性が描かれており

『夜行』は夜行列車の『夜行』ではなく

百鬼夜行の『夜行』ではないかと言う人まで現れる。

なんだか、ホラーのような小説ですが

怖いのは絵画を通して、別次元の世界に

入り込んでしまった大橋。

そこで見て経験したものこそ、本書『夜行』の

真髄だったのでしょう。
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波津雪希
波津雪希 さん本が好き!1級(書評数:1953 件)

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