すずはら なずなさん
レビュアー:
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著者は文化人類学者。世界各国のフィールドワークを行い漫画の評論もされたという。
その知識の豊富さには…ついて行けない(残念!)
何故この本を購入したか思い出せないが、多分ちょっと難しそうな美術系や心理学系等の新書なんかをかなり背伸びして買っていた時期、本屋で見つけて買ったのだと思う。
パラパラとページをめくると、映画の一場面、西洋の舞台装置のデッサンやポスター、大津絵の「鬼」や 伝統の芝居の装束を着けた「鬼」の写真、「かいじゅうたちのいるところ」の絵本のページなど その取り上げる素材の多岐に渡っていることがよく解る。そしてまたマニアックでもある。(その辺りをよく知る人たちには「あたりまえ」の知識なのかもしれないけれど)。
なので題名は「道化の宇宙」になっているが 単純にサーカスの「ピエロ」を想像したり、シェイクスピアなどの描く 王様の傍仕えの「道化」だけを思っていたら大違いなのだ。
もちろん それらも含めて「道化」「鬼」「はみだし者」の役割を考察し、他の分野にも視野を広げ、ひいては世界の各地のイベントや伝統芸能、普段の人々の営みにまで踏み込んでいくのだ。
オペラや文学、映画など 数々の例を引かれても、ほとんどが 「ああ、これね 解る解る」、ということには残念ながらいかない。なので「なるほど」ということにもなかなかならない。
僅かばかりのうろ覚えの名前や作品例を見つけると とても嬉しい、そんなレベルの読者で本当に申し訳ない。
でも、ちゃんと映画や舞台の筋を追って説明してくれているものもあり、新たな知識と興味を貰えたことはとても良かったと思う。
フェリーニの映画、今度観てみたい(「道」は薦められて観た記憶が…。「フェリーニに恋して」って映画も後年作られたのをネットで知った)、モーツァルトの人となりを描いたもの、(「アマデウス」は以前観た)他にも観てみたい(今よく再演されているミュージカルがあるみたいだ)、ジャン・ルノワール監督の「素晴らしき放浪者」という映画に興味が持てた、劇作家フランク・ヴェデキントの「ルル」、調べたら昨年も舞台があったそうだ、等々。
著者の意図や論が全て理解できるような 賢い読者じゃないけれど、気になった語句や取り上げられた作品群はとても魅力的で、ネットの偉大な力も借りて、観たいもの、読みたいもの、知りたいことが増えたのは 有難いことだと思うのだ。
そうそう沖縄芝居の「鬼餅由来記」の話も面白かった。素朴な中にちょっとドキっとする展開があって、沖縄市立郷土博物館のホームページからも読める。そのほかにも面白い民話が紹介されていたので、またじっくり読んでみようと思う。
パラパラとページをめくると、映画の一場面、西洋の舞台装置のデッサンやポスター、大津絵の「鬼」や 伝統の芝居の装束を着けた「鬼」の写真、「かいじゅうたちのいるところ」の絵本のページなど その取り上げる素材の多岐に渡っていることがよく解る。そしてまたマニアックでもある。(その辺りをよく知る人たちには「あたりまえ」の知識なのかもしれないけれど)。
なので題名は「道化の宇宙」になっているが 単純にサーカスの「ピエロ」を想像したり、シェイクスピアなどの描く 王様の傍仕えの「道化」だけを思っていたら大違いなのだ。
もちろん それらも含めて「道化」「鬼」「はみだし者」の役割を考察し、他の分野にも視野を広げ、ひいては世界の各地のイベントや伝統芸能、普段の人々の営みにまで踏み込んでいくのだ。
オペラや文学、映画など 数々の例を引かれても、ほとんどが 「ああ、これね 解る解る」、ということには残念ながらいかない。なので「なるほど」ということにもなかなかならない。
僅かばかりのうろ覚えの名前や作品例を見つけると とても嬉しい、そんなレベルの読者で本当に申し訳ない。
でも、ちゃんと映画や舞台の筋を追って説明してくれているものもあり、新たな知識と興味を貰えたことはとても良かったと思う。
フェリーニの映画、今度観てみたい(「道」は薦められて観た記憶が…。「フェリーニに恋して」って映画も後年作られたのをネットで知った)、モーツァルトの人となりを描いたもの、(「アマデウス」は以前観た)他にも観てみたい(今よく再演されているミュージカルがあるみたいだ)、ジャン・ルノワール監督の「素晴らしき放浪者」という映画に興味が持てた、劇作家フランク・ヴェデキントの「ルル」、調べたら昨年も舞台があったそうだ、等々。
著者の意図や論が全て理解できるような 賢い読者じゃないけれど、気になった語句や取り上げられた作品群はとても魅力的で、ネットの偉大な力も借りて、観たいもの、読みたいもの、知りたいことが増えたのは 有難いことだと思うのだ。
そうそう沖縄芝居の「鬼餅由来記」の話も面白かった。素朴な中にちょっとドキっとする展開があって、沖縄市立郷土博物館のホームページからも読める。そのほかにも面白い民話が紹介されていたので、またじっくり読んでみようと思う。
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実家の本棚の整理を兼ねて家族の残した本や自分の買ったはずだけど覚えていない本などを読んでいきます。今のところ昭和の本が中心です。平成にたどり着くのはいつのことやら…。
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- 出版社:講談社
- ページ数:0
- ISBN:B07YKMXLBX
- 発売日:1985年09月09日
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