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かもめ通信
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首のたるみが気になるの!
コレットと言えば、レジオン・ドヌール勲章を受け、
国葬もされたという、フランスを代表する作家の一人だが、
とにかく奔放な生き方をした女性という印象が強く
作品にもそうした彼女の生き方が反映されているのだろうという思い込みから
なんとなく腰が引けてこれまで手に取らずにきた。

だが先日、プルーストからの派生読書でおもわず衝動買いしてしまった
『コレットの地中海レシピ』という本を読む前に
やっぱりコレットの代表作の一つや二つ読んでおいた方がいいのでは?と考えて
意を決して読んでみたのが『青い麦』
これがなかなか読みやすく興味深かったので、
続けてもう一作読んでみようと手に取ったのがこの本。

1920年、コレット47歳の時に書かれたこの作品は、
49歳(といっても本人は生年を隠しているので公にはなってはいないのだが)の
元高級娼婦レアと、25歳の青年「シェリ」ことフレッドとの愛の物語。

ちなみに「シェリ」とは「可愛いひと」の意味で、
女性が愛人の男性を呼ぶのに用いられる愛称だ。

そう聞いて主人公は、若い男性の方なのかと思いかけたが、
物語自体はむしろ女性のレアの方に比重が置かれていた。

レアは古くからの友人の息子でもあるシェリを
彼が小さい頃からかわいがってきたが、
シェリは長じるにつれ、レアへの思慕を募らせる。
やがて二人は男女の仲に。
寝ても覚めてもレア!レア!レア!!で
他の女に見向きもしないこの美しい青年を
レアだって愛さないはずはなく、
自分好みの趣味のいい若者に育て上げるところはまさに男性版「紫の上」!?

けれどもレアは知っていた
いくら念入りに手入れをしても
年齢を重ねた自分の身体が次第に衰えてきていることを。

やがてシェリに結婚話が持ち上がり……。


この小説、1926年に発表された続編『シェリの最後』とともに
第一次世界大戦前後のいわゆる「不安な時代」に生きていた
青年層にウケて大ヒットしたというのだが……。

おそらくそれとはまったく違った視点で胸に迫るものがあり、
なんだか妙に面白かった。
とはいえ、若い頃読んだら全く違った感想を持ったかもしれないが…。

だってほら、首のたるみ!やっぱり気になると思わない?

<関連レビュー>
『青い麦』
●『コレット著作集 6』(近日アップ予定)
●『コレットの地中海レシピ』(近日アップ予定)
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2235 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

読んで楽しい:7票
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この書評へのコメント

  1. 三太郎2020-02-17 11:53

    昔のYシャツのネクタイが締められなくなると、首のたるみを痛感しましたが・・・今ではお腹周りのたるみが深刻かも(^^;

  2. かもめ通信2020-02-17 21:46

    三太郎さん!それをいっては………
    確かに深刻です。私も…(><)

  3. No Image

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