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ソネアキラ
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作者ならではの少年少女の心理描写が巧み
予定より早く仕事が終わったので『星の子』今村夏子著を読む。ご本のご褒美で、ごほんび。

主人公の女子中学生は赤ん坊の頃、霊験あらたかな水で治らなかった病気が治った。以来一家は、信仰生活に入る。まわりはそんな水はインチキだと思うが、それで治ったのだから。新興宗教、カルト宗教はうさん臭げに見られがち。まあ、その教義を守ろうとすると軋轢も起きるだろう。その苦難を乗り越えればいちだんと高いステージに上れる。ダメだったら信心が足りないと。

女の子は、ごく普通の子で、彼女を通して家族、親族、信者、先生、同級生が語られる。作者ならではの少年少女の心理描写が巧みで、ぼくも遥か昔の中学時代をふと思い出していた。早く終わってほしい、早く終わらないでほしいが入り混じった気分とか。

いわば総本山の「星々の郷」へ家族と行く。修行のメニューは、たぶん自己開発セミナーと似たようなものか。作者の実体験なのか、否か。ま、それはどうでもいいのだが、建物描写などがリアルなもんで。

いわゆる宗教二世問題で脚光を浴びたが、特別な事件や事故もない。姉の失踪ぐらいか。ガチ家族を描いた真っ向からの作品。
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ソネアキラ
ソネアキラ さん本が好き!1級(書評数:2196 件)

女子柔道選手ではありません。開店休業状態のフリーランスコピーライター。暴飲、暴食、暴読の非暴力主義者。東京ヤクルトスワローズファン。こちらでもささやかに囁いています。

twitter.com/sonenkofu

詩や小説らしきものはこちら。

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