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はなとゆめ+猫の本棚
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原発がテロリストによりすべて破壊され、未来では日本の人口は5千万人に減少。そんな時代、立ち入り禁止地域ではとんでもないことが起きていた
二十一世紀も半ばを迎えようとしていた時にそれは起きた。過激な活動で有名だった、ある環境保護団体が世界即時原発停止を要求して、日本のすべての原発にたてこもり、要求をいれないと爆発すると宣言する。日本政府や各国政府との交渉を行うが、一か月すぎ決裂。団体は予告通り、原発を爆破。これにより、日本の20%が立ち入り制限地域となる。

 それから4世代の時間が過ぎ、日本の人口は5千万人にまで減少する。

 この爆破と放射能汚染により、3万人が死に、埋葬された。しかし、制限地域で生存している人を見たという人が続出。実は、4世代たっても生き残って世代を継いできたマルピーとよばれるゾンビがいた。

 この立入制限地域を監視、管理をしているのがAIロボット隊。それに、放射能に対する免疫がつき生き残った生物、猫、ねずみ。それから、タンブルウィードという植物。この植物には赤玉と青玉があり、青玉は刺激により爆発を起こす危険植物。

 この危険地域にある日、軽自動車に乗った財後徳子というふざけた名前の国税庁の役人が侵入してくる。

 人間というのは、感情的で不合理な活動をする。その人間である徳子。それがどんなにおかしくても、人間を守り抜くことが最大の使命のAIロボット。更にゾンビに怪異な動物、植物。これらのヘンテコな関係がユーモラスに展開する未来小説。

 この物語で、発想がユニークでドキッとしたのが次の点。
日本は放射能汚染国となり衰微の一途。何とかお金を稼がないと、国が持たない。それで政府が考えたのが、各国が処理に困っている放射性廃棄物を日本で預かり、その保管料で収入を得ようとする。廃棄物は人が住めなくなった立入禁止地域の地中に埋める。

 最初は輸送費サービスなどの宣伝を打って各国に売り込む。

 今は福島原発の放射性物質は薄めて海か空中に散布するという案で政府は動いているが、この作品を読んだら、もし現在この案がだされるとグッドアイデアとして本当に実行されるのではと思い、ブルッと体が震えた。
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はなとゆめ+猫の本棚
はなとゆめ+猫の本棚 さん本が好き!1級(書評数:6224 件)

昔から活字中毒症。字さえあれば辞書でも見飽きないです。
年金暮らしになりましたので、毎日読書三昧です。一日2冊までを限度に読んでいます。
お金がないので、文庫、それも中古と情けない状態ですが、書評を掲載させて頂きます。よろしくお願いします。

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