かもめ通信さん
レビュアー:
▼
もしかして私、沼に片足突っ込んだかも!?
最初に断っておきたいのだが、私はシャーロキアンではない。
それどころかホームズ作品はろくに読んでおらず、
“ルパン対ホームズ”なら迷わず、ルパンに与する気満々だ。
だから私のこのレビューは、ホームズ通の方の参考にはならないかもしれない。
なにしろシャーロック・ホームズに関する私の記憶は
10代前半からほとんど更新されていないのだ。
そのせいで、一番最近(といっても既に9年近く前だった!)読んだ
『バスカヴィル家の犬』のレビューでは、
ホームズのことを「偉そうな上から目線のおじ様」扱いしていた!
この本を読むまで、まさか、ホームズがそんなに若いとは思いも寄らずに!!
それはさておき、
この本を手にしたのは、翻訳を手がけたのが共にやまねこ翻訳クラブに所属する
ないとうふみこさんと中村久里子さんという、
私が訳者読みリストに登録している翻訳家さんたちだということと、
Twitterでみた装丁がとっても格好良かったからという
ある意味ミーハーな理由にすぎなかった。
しっかりと自立するボリュームであることも知っていたし、
あまりにマニアックな内容ならば、
こっそり本を閉じて見なかったことにしようとさえ思いつつ
図書館にリクエストして入手し、
おそるおそるページをめくり始めたのだが………
次の瞬間に
思わずツイートしてしまったのだった。
コナン・ドイルの医学生時代にはじまって、
彼がいかに“観察眼”に磨きをかけたか
そしてその“観察眼”を自身の作品に生かすことを考え出したかといったことを
年代を追ってつまびらかにしていく様は
さながらコナン・ドイルとシャーロック・ホームズという
“二人の人物”の伝記のよう。
愛憎入り交じった二人の関係はついに
一方に他方を殺すことを決意させるのだが、
そこはやはり名探偵、殺されたはずのホームズは不死鳥のように蘇ってしまう……
と、そのあたりは以前読んだピエール・バイヤールの
『シャーロック・ホームズの誤謬 (『バスカヴィル家の犬』再考)』でも
紹介されていたので、ある程度知ってはいたのだが、
この本の面白いところは、コナン・ドイルとホームズの関係に止まらず、
“シャーロック・ホームズその人”に魅せられた人々が次々と登場してくるところ。
読むだけでは飽き足らず、脚本を書いたり、演じたり、2次創作を始めたり……
ドイルが生んだはずの探偵はもう、国境も鉄のカーテンも難なく通り抜け
生みの親が行ったことも見たこともない国々まで出かけていくことに。
コナン・ドイルの生涯も興味深いが
なによりもこれほど長きにわたって、これほど幅広い人々が
シャーロック・ホームズに魅せられて次々と沼にハマる
オタク道の奥深さに目をうばわれる。
そしてまた、著者亡き後の著作権をめぐる攻防も読みどころの一つ。
どっぷりはまって1週間!?
どこもかしこも面白くて飛ばし読みする必要はなかった。
いやあ!面白かったなあ!
しかしこれはきっと著者も訳者もものすごい時間をかけて作り上げた本に違いないのに、
辞められない止まらないとイッキ読みしてしまって申し訳ないような気も。
ちょっとホームズに会いに行ってからまた改めて戻ってみよう、そうしよう。
でもシャーロック・ホームズ、
コナン・ドイル作品はもちろん、
あれもこれも面白そうなパスティーシュもいっぱい紹介されていたし
あの俳優が演じた、あるいはあの脚本家が手がけたという映画やドラマも観てみたい。
いったいどこから手をつけたら!?
って、もしかして、私も既に、沼に片足突っ込んでいたりする!?
それどころかホームズ作品はろくに読んでおらず、
“ルパン対ホームズ”なら迷わず、ルパンに与する気満々だ。
だから私のこのレビューは、ホームズ通の方の参考にはならないかもしれない。
なにしろシャーロック・ホームズに関する私の記憶は
10代前半からほとんど更新されていないのだ。
そのせいで、一番最近(といっても既に9年近く前だった!)読んだ
『バスカヴィル家の犬』のレビューでは、
ホームズのことを「偉そうな上から目線のおじ様」扱いしていた!
この本を読むまで、まさか、ホームズがそんなに若いとは思いも寄らずに!!
しかしなんで、おじさんだと思い込んでいたのだろうか?
子どもの頃にアラサーなんておじさま以外のなにものでもなかったのか……。(謎)
それはさておき、
この本を手にしたのは、翻訳を手がけたのが共にやまねこ翻訳クラブに所属する
ないとうふみこさんと中村久里子さんという、
私が訳者読みリストに登録している翻訳家さんたちだということと、
Twitterでみた装丁がとっても格好良かったからという
ある意味ミーハーな理由にすぎなかった。
しっかりと自立するボリュームであることも知っていたし、
あまりにマニアックな内容ならば、
こっそり本を閉じて見なかったことにしようとさえ思いつつ
図書館にリクエストして入手し、
おそるおそるページをめくり始めたのだが………
次の瞬間に
なにこれ!面白い!ぐいぐい行けそう!!と
思わずツイートしてしまったのだった。
コナン・ドイルの医学生時代にはじまって、
彼がいかに“観察眼”に磨きをかけたか
そしてその“観察眼”を自身の作品に生かすことを考え出したかといったことを
年代を追ってつまびらかにしていく様は
さながらコナン・ドイルとシャーロック・ホームズという
“二人の人物”の伝記のよう。
愛憎入り交じった二人の関係はついに
一方に他方を殺すことを決意させるのだが、
そこはやはり名探偵、殺されたはずのホームズは不死鳥のように蘇ってしまう……
と、そのあたりは以前読んだピエール・バイヤールの
『シャーロック・ホームズの誤謬 (『バスカヴィル家の犬』再考)』でも
紹介されていたので、ある程度知ってはいたのだが、
この本の面白いところは、コナン・ドイルとホームズの関係に止まらず、
“シャーロック・ホームズその人”に魅せられた人々が次々と登場してくるところ。
読むだけでは飽き足らず、脚本を書いたり、演じたり、2次創作を始めたり……
ドイルが生んだはずの探偵はもう、国境も鉄のカーテンも難なく通り抜け
生みの親が行ったことも見たこともない国々まで出かけていくことに。
コナン・ドイルの生涯も興味深いが
なによりもこれほど長きにわたって、これほど幅広い人々が
シャーロック・ホームズに魅せられて次々と沼にハマる
オタク道の奥深さに目をうばわれる。
そしてまた、著者亡き後の著作権をめぐる攻防も読みどころの一つ。
どっぷりはまって1週間!?
どこもかしこも面白くて飛ばし読みする必要はなかった。
いやあ!面白かったなあ!
しかしこれはきっと著者も訳者もものすごい時間をかけて作り上げた本に違いないのに、
辞められない止まらないとイッキ読みしてしまって申し訳ないような気も。
ちょっとホームズに会いに行ってからまた改めて戻ってみよう、そうしよう。
でもシャーロック・ホームズ、
コナン・ドイル作品はもちろん、
あれもこれも面白そうなパスティーシュもいっぱい紹介されていたし
あの俳優が演じた、あるいはあの脚本家が手がけたという映画やドラマも観てみたい。
いったいどこから手をつけたら!?
って、もしかして、私も既に、沼に片足突っ込んでいたりする!?
お気に入り度:









掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
- この書評の得票合計:
- 50票
| 読んで楽しい: | 26票 | |
|---|---|---|
| 参考になる: | 21票 | |
| 共感した: | 3票 |
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。
この書評へのコメント
- かもめ通信2020-03-16 20:52
なんと!このレビュー、著者さんがGoogle翻訳を使って読んでくださったようです(^^ゞ
https://twitter.com/mattias221b/status/1239499228830982145クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
コメントするには、ログインしてください。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:作品社
- ページ数:488
- ISBN:9784861827884
- 発売日:2020年01月25日
- 価格:6380円
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。






















