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「ハマスホイは詩人である。消え去った存在が、空っぽの室内に残す余韻を私たちに感じさせるのだ」(T・マーティン・ウッド、1909年/本書P31)
はじめてハマスホイの作品を観たのは
上野の国立西洋美術館だった。
(当時の画家の表記はハンマースホイだった)
肩を落とした女性の後ろ姿がやけに印象的で
思わず絵はがきを買い求めた。
あれから、ハマスホイの絵は幾つかの翻訳本の表紙を飾り
すっかり身近なものになった気がする。
私は昔から美術館に足を運んでも
気に入った絵ばかりを眺めたり、
解説などは斜め読みしてしまう
あまり熱心とはいえないタイプの観覧者だということもあって
あいかわらず、画家のことはあまりよく知らなかった。
けれども、やはり
後ろ姿の女性のことも
扉の向こう側にあるであろう景色も気になってはいたので
2020年1月21日から東京都美術館で
同年4月7日から山口県立美術館で開催される
「ハマスホイとデンマーク絵画」にあわせて出版されたこの本を
手に取ってみることにした。
といってもこの本は今回の展覧会の図録ではなく
2008年の国立西洋美術館「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」展の
企画を手がけた佐藤直樹氏によって監修された作品集で
ハマスホイの生涯を紹介しつつ、
日本国内では未発表の作品も含め、代表作の54点を収録している。
またその作品を同時代の画家や、ハマスホイに影響を与えたであろう作品とともに
鑑賞することができる構成にもなっていて興味深い。
紙面はコロナ・ブックスの幅の広い変形判の特性を活かしたレイアウトなので、
目をこらさなくてもゆったりと絵が鑑賞できる点もいい。
ただし「ハマスホイとデンマーク絵画」にあわせて出版された本ではあるが、
出展作品が網羅されているわけではないようなので
その点には注意が必要だ。
上野の国立西洋美術館だった。
(当時の画家の表記はハンマースホイだった)
肩を落とした女性の後ろ姿がやけに印象的で
思わず絵はがきを買い求めた。
あれから、ハマスホイの絵は幾つかの翻訳本の表紙を飾り
すっかり身近なものになった気がする。
私は昔から美術館に足を運んでも
気に入った絵ばかりを眺めたり、
解説などは斜め読みしてしまう
あまり熱心とはいえないタイプの観覧者だということもあって
あいかわらず、画家のことはあまりよく知らなかった。
けれども、やはり
後ろ姿の女性のことも
扉の向こう側にあるであろう景色も気になってはいたので
2020年1月21日から東京都美術館で
同年4月7日から山口県立美術館で開催される
「ハマスホイとデンマーク絵画」にあわせて出版されたこの本を
手に取ってみることにした。
といってもこの本は今回の展覧会の図録ではなく
2008年の国立西洋美術館「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」展の
企画を手がけた佐藤直樹氏によって監修された作品集で
ハマスホイの生涯を紹介しつつ、
日本国内では未発表の作品も含め、代表作の54点を収録している。
またその作品を同時代の画家や、ハマスホイに影響を与えたであろう作品とともに
鑑賞することができる構成にもなっていて興味深い。
紙面はコロナ・ブックスの幅の広い変形判の特性を活かしたレイアウトなので、
目をこらさなくてもゆったりと絵が鑑賞できる点もいい。
ただし「ハマスホイとデンマーク絵画」にあわせて出版された本ではあるが、
出展作品が網羅されているわけではないようなので
その点には注意が必要だ。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:平凡社
- ページ数:128
- ISBN:9784582635195
- 発売日:2020年01月26日
- 価格:2200円
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