たけぞうさん
レビュアー:
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川上未映子特集号。これはすごい。
作家特集号の雑誌は、これまで読んだことはありませんでした。
でも、川上未映子さんは好きな作家さんなので手に取りました。
自分が作品から受けている印象と比べて、他の人の感じかたが
こんなにも違うんだというのは想像以上に新鮮でした。
作家本人のインタビューが四本もありますし、
単行本未収録のショート作品が何本かあるし、
他の作家さんたちのエッセーは十本以上も収録してあります。
いろいろな角度からの視点をもらえてよかったです。
非常に刺激的です。
このシリーズは文藝別冊となっていて、
ほかにはこんな作家さんの特集号があります。
好きな人のものがあれば、お薦めですよ。
木皿泉、石牟礼道子、高畑勲、氷室冴子、筒井康隆、
水木しげる、森見登美彦、永遠の太宰治、橋本治、ヒグチユウコ
太宰治だけには素敵な一言が添えられていて、題名だけでもそそりますね。
作家さんに限っていないのも、さすが大手出版社です。
編集者による川上作品の解題は予想通りの内容でしたが、
作家さんたちも作品を評しているページがあり、
私の一冊と題した書評っぽいものが数ページと、
エッセーにまとめたものが数ページあります。
江國香織さんがどう読んでいるか、abさんごの黒田夏子さんの視点はどうか、
女優の夏帆さんによるすべて真夜中の恋人たちへの想い、
村田沙耶香さんによる切り裂くようなヘヴンへの共感。
歌人の今橋愛さんの夏物語の大阪目線の切り取りや、
田中慎弥さんのウィステリアと三人の女たちをずぶりと突く文章。
すごいなと率直に思ってしまう文章がずらりと並んでいます。
皆さんは作品をチェックしながら文章にまとめているので、
文章の引用や言及が具体的なのです。
わたしは何年も前に読んだ作品が多くあるので、
覚えていることは作品の空気感ばかりです。
だから、作家さんが刺さっている表現なのに、覚えていないやとか、
ここまで深く読みとるんだということが多くあり過ぎて、
どれだけ再読が必要なのだと頭が痛くなってきます。
一番驚いたのは、川上さんは自分が思っていたよりもはるかに言葉に
関心とこだわりが強い人だということが分かったことです。
哲学者との対談があるのですが、これが恐ろしいくらいに分からないのです。
でも会話ははずんでいるみたいなので、ちょっと淋しい思いまで・・・まあそれは
さておき、川上作品の中でこんなにもたくさんの哲学的表現が
挟みこまれていたということを知って茫然としました。
あたり前と言えばそれまでなのですが、作家さんってすごいなあと
あらためて思い直しました。お腹いっぱいになれる一冊ですよ。
でも、川上未映子さんは好きな作家さんなので手に取りました。
自分が作品から受けている印象と比べて、他の人の感じかたが
こんなにも違うんだというのは想像以上に新鮮でした。
作家本人のインタビューが四本もありますし、
単行本未収録のショート作品が何本かあるし、
他の作家さんたちのエッセーは十本以上も収録してあります。
いろいろな角度からの視点をもらえてよかったです。
非常に刺激的です。
このシリーズは文藝別冊となっていて、
ほかにはこんな作家さんの特集号があります。
好きな人のものがあれば、お薦めですよ。
木皿泉、石牟礼道子、高畑勲、氷室冴子、筒井康隆、
水木しげる、森見登美彦、永遠の太宰治、橋本治、ヒグチユウコ
太宰治だけには素敵な一言が添えられていて、題名だけでもそそりますね。
作家さんに限っていないのも、さすが大手出版社です。
編集者による川上作品の解題は予想通りの内容でしたが、
作家さんたちも作品を評しているページがあり、
私の一冊と題した書評っぽいものが数ページと、
エッセーにまとめたものが数ページあります。
江國香織さんがどう読んでいるか、abさんごの黒田夏子さんの視点はどうか、
女優の夏帆さんによるすべて真夜中の恋人たちへの想い、
村田沙耶香さんによる切り裂くようなヘヴンへの共感。
歌人の今橋愛さんの夏物語の大阪目線の切り取りや、
田中慎弥さんのウィステリアと三人の女たちをずぶりと突く文章。
すごいなと率直に思ってしまう文章がずらりと並んでいます。
皆さんは作品をチェックしながら文章にまとめているので、
文章の引用や言及が具体的なのです。
わたしは何年も前に読んだ作品が多くあるので、
覚えていることは作品の空気感ばかりです。
だから、作家さんが刺さっている表現なのに、覚えていないやとか、
ここまで深く読みとるんだということが多くあり過ぎて、
どれだけ再読が必要なのだと頭が痛くなってきます。
一番驚いたのは、川上さんは自分が思っていたよりもはるかに言葉に
関心とこだわりが強い人だということが分かったことです。
哲学者との対談があるのですが、これが恐ろしいくらいに分からないのです。
でも会話ははずんでいるみたいなので、ちょっと淋しい思いまで・・・まあそれは
さておき、川上作品の中でこんなにもたくさんの哲学的表現が
挟みこまれていたということを知って茫然としました。
あたり前と言えばそれまでなのですが、作家さんってすごいなあと
あらためて思い直しました。お腹いっぱいになれる一冊ですよ。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:河出書房新社
- ページ数:280
- ISBN:9784309979878
- 発売日:2019年11月29日
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