書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

献本書評
かもめ通信
レビュアー:
実は私10代の頃、新聞や雑誌の投稿欄にせっせと詩らしきものを書いて送った黒歴史がありまして……なんてことを告白しようか、どうしようかと悩みながら読み始めた本でしたが、そういう話ではありませんでした!?
掲示板「最近出た本、これから出る本 ここに注目!話題の本!!」でmono sashi さんが紹介してくださった本。
またまた本が好き!ナカノヒトが献本をゲットしてきてくださいました。(感謝!)

著者のお名前は、彩流社から出ているユニークな切り口のオリジナル復刻アンソロジーシリーズを手がけているアンソロジストとして見知っていたので、これはきっと近現代詩をめぐる興味深い話が聞けるに違いないと、ちょっとお堅い本を読むつもりで読み始めました。

ところが、ところが……なのです。
今どき、「詩歌が好きです」と告白するのはかなり恥ずかしい。勇気がいります。殊におじさんにとってはハードルが高く、カミングアウトに近い。
のっけからこんな書き出しで始まる話は、肩肘張らないどころか、思わず笑ってしまうような話や、まさか、本当に?嘘でしょう??と、にわかには信じがたく青ざめてしまうような話まで、豊富な話題が満載。

近代から戦後直後にかけての俳句・短歌・詩の歴史をざっくり織り交ぜながら、詩人たちの作品とその生活や交遊関係を紹介していくスタイルで、詩作の手ほどきをする本ではありません。

病床にあっても衰えない正岡子規の大食らいや、その子規にせっせと旬の食べ物を送り届ける弟子の長塚節、子規の親友でこちらもまた胃弱のくせにこりない大食い夏目漱石の話など、有名どころからはじまって、詩人になることを夢見ていたけれど、詩歌では食べていけないから小説を書いたというあの人この人の話、萩原朔太郎と三好達治の師弟対決、朔太郎の妹アイをめぐるあれこれ、あれは反戦歌なのかそれとも…という話や、みんなのあこがれ片山廣子に、堀辰雄と立原道造のびっくりエピソード等々、俳句に短歌、散文詩に流行歌の歌詞にいたるまで、あれやこれやが次々と。

もうね。
いますぐ、仕入れたばかりのあの話、この話を、ご披露したいのはやまやまなのですが、ネタバレになってはいけませんから、興味を持たれたあなたはぜひぜひ一度読んでみてください。
小説はともかく詩歌はちょっと……という方であってもきっと楽しんでいただけると思います。
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2235 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

読んで楽しい:18票
参考になる:22票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. mono sashi2020-02-13 02:32

    レビューの内容もさることながら、
    タイトルの方にとりわけ目がいってしまいました。

    >10代の頃、新聞や雑誌の投稿欄にせっせと詩らしきものを書いて送った黒歴史……

    えっ? そうだったのですか・・・。じつはわたしもですw

  2. calmelavie2020-02-12 18:59

    お二人とも、凄いですねw
    10代の終わりに、ガリ版刷りの詩集を自分で百部印刷して、一部百円で売りさばいた黒歴史がありますw
    年上の友人から、おまえ、詐欺だろうと言われました。
    「百円は暴利だ!」とww

  3. michako2020-02-12 19:09

    みんなの憧れ片山廣子!おお~早く読みたいっ!
    かもめ通信さんの思い切った黒歴史ご披露に噴出してしまいましたw
    私はありがたいことに、小学校の先生が私の書いた詩を気に入って勝手にあちこち投稿してくれていたことがあります。
    今思えば、本当ありがたいことですよねぇ。
    おかげで私は詩が好きになりましたし、文字をかくこと、文章を書く事、読むこと、全て自然に好きになったように思います。

  4. かもめ通信2020-02-12 20:51

    >mono sashiさん
    おおっ!仲間!!( ^_^)/\(^_^ )

    >calmelavieさん
    ガリ刷り100円!!それはすごい!
    実は私も中坊の頃、友人達と自作の詩や2次創作の漫画やイラストなどを集めた同人誌もどきをつくっていたのですが、とても売れるような代物ではなく、お小遣いをはたいて作る…という状況で長続きしなかったという、情けない思い出も(^^ゞ

    >michakoさん
    す、すごい!!天才少女!!もしかして『千代女』の和子のような過去があったりなんかして!?(←いろいろと失礼)
    とにもかくにもmichakoさんの感想、お待ちしておりますw

  5. mono sashi2020-02-12 22:15

    結論、みなさんの方がすごかった・・・(-_-;)

  6. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『恥ずかしながら、詩歌が好きです 近現代詩を味わい、学ぶ (光文社新書)』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ