かもめ通信さん
レビュアー:
▼
第1回 氷室冴子青春文学賞大賞受賞作。子どもから大人まで楽しめる、本と図書館への愛が詰まった1冊です。
気になる新刊情報を紹介し合う掲示板 最近出た本、これから出る本 ここに注目!話題の本!!で,薄荷さんにご紹介戴いた本。
タイトルと装丁から児童文学かYA小説なのかな?と思いつつ、手に取ってみたところ、約800もの応募作品の中から選ばれた第1回 氷室冴子青春文学賞大賞受賞作品「へびおとこ」に加筆修正を加えた作品なのだとか。
なるほど「氷室冴子」ね。
と、わかったような気になって読み始めると、冒頭からぐぐっと引き込まれます。
小学校6年生の2学期という微妙な時期に転校してきた主人公の火村ほのかは、
そんなわけで気乗りしないながらも、クラスのリーダー格であるかおり姫の
まさかそれがあんな結果になろうとは思いもよらずに……。
いじめや不登校、図書館のあり方、図書館の自由に関する宣言、友情と同情の違い、
そして初恋……。
懐かしい絵本や児童文学、もう一度読みたいあの本この本をふんだんに盛り込みながら、不登校になった小学生の主人公が、学校に行くふりをして通いはじめた図書館の中で、周囲を冷静に観察しながら様々なことを学んでいく姿を描いた物語は、本が好き!図書館が好き!という大人にも子どもにも安心してお薦めできる作品です。
いじめがあるのは子どもの社会だけではないという厳しい現実からも目をそらさずに、様々な葛藤を描き出している点からも、本にも図書館にもさほど興味が無いけれど……という、読者の心にも訴えるものがあるのではないかとも。
いろいろ考えさせられますが、読後感さわやかな作品でした。
タイトルと装丁から児童文学かYA小説なのかな?と思いつつ、手に取ってみたところ、約800もの応募作品の中から選ばれた第1回 氷室冴子青春文学賞大賞受賞作品「へびおとこ」に加筆修正を加えた作品なのだとか。
なるほど「氷室冴子」ね。
と、わかったような気になって読み始めると、冒頭からぐぐっと引き込まれます。
小学校6年生の2学期という微妙な時期に転校してきた主人公の火村ほのかは、
転校生生特有の人気もあと数日の命だろうから、その間に友だちを作っとかなきゃまずいと、頭の中で冷静に分析していました。
そんなわけで気乗りしないながらも、クラスのリーダー格であるかおり姫の
へびおとこを見に行こうという誘いを断るという選択肢はなかったのです。
まさかそれがあんな結果になろうとは思いもよらずに……。
いじめや不登校、図書館のあり方、図書館の自由に関する宣言、友情と同情の違い、
そして初恋……。
懐かしい絵本や児童文学、もう一度読みたいあの本この本をふんだんに盛り込みながら、不登校になった小学生の主人公が、学校に行くふりをして通いはじめた図書館の中で、周囲を冷静に観察しながら様々なことを学んでいく姿を描いた物語は、本が好き!図書館が好き!という大人にも子どもにも安心してお薦めできる作品です。
いじめがあるのは子どもの社会だけではないという厳しい現実からも目をそらさずに、様々な葛藤を描き出している点からも、本にも図書館にもさほど興味が無いけれど……という、読者の心にも訴えるものがあるのではないかとも。
いろいろ考えさせられますが、読後感さわやかな作品でした。
お気に入り度:







掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
- この書評の得票合計:
- 31票
読んで楽しい: | 7票 |
|
---|---|---|
参考になる: | 24票 |
|
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。
この書評へのコメント
コメントするには、ログインしてください。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:河出書房新社
- ページ数:224
- ISBN:9784309028385
- 発売日:2019年11月19日
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。